誰も損しない
「時間軸で考えた融資」がすごい!

 そんな未来の融資の中でなるほどと思ったのが、時間軸で考えた融資
 たとえば、400リットル冷蔵庫の場合、10年前の消費電力は平均1200kWhでしたが、現在は省エネが進んで180kWhになっています。
 つまり、冷蔵庫を買い換えることで、年間1000kwh以上省エネできることになります。
 今の電気代に換算すると、年間約2万3000円電気料金が安くなることになります。

 未来バンクでは、冷蔵庫の購入価格が10万円の場合、この購入資金10万円を融資してくれます。借りたほうは利子を含めても5年で元が取れて、その後浮いた電気代がプラスになっていきます(足温ネットプロジェクト)。

お金を借りたのに将来的に得をする
 融資した未来バンクも些少ですが利子が入る。
 そして、電気使用量が少ないということで環境にもよいということになります(古い冷蔵庫を処分して、新しい冷蔵庫の製造負荷の環境コストを含めても1年4ヵ月でペイします)。

生活スタイルは変えないのに、省エネができて、誰も損しないどころか誰もが得をする仕組み

 こういう時間軸で考えると、農業の可能性も広がってきます。
 将来の安全な食を担保にして新しいチャレンジをしようとする農家に融資してもらう。実際、石川県のNPOバンクで耕作放棄地を減らそうと農業に取り組み、そこでとれたお米を生かすため、金沢の老舗酢造屋さんと組んでのお酢製造に乗り出したところへ融資されたりしています。

お金は社会の血液といいますが、お金の流れという具体的なものを考えることがとても大切だと思えてなりません。