また、取引先から夜になって問い合わせがきて、それに応えないとトラブルになるといった場合、社員個人の頑張りや創意工夫ではどうにもならず、取引構造を変えなければ社員は帰ることができない。

 多くの場合は、権限を持つ管理職以上がこうした構造をどう変えるかを考える必要が出てくる。問い合わせをコールセンターに対応させて、問い合わせとそれ以外の業務を分離するとか、取引先と話し合って時間外業務の対応ルールを相手に呑んでもらうとか、状況を変えなければこの問題はなくならない。

コンサルに頼まなくても
「ムダな会議」はなくせる

 次のチャレンジは、会議の負荷を減らすことだ。朝から夕方まで1時間ずつ会議スケジュールがびっしりと詰まっていて、18時にならないと解放されないような社員に「定時に帰れ」というのは無理なことである。

 だから無駄な会議を減らしたり、会議に出るべき人間の数を減らしたりということが必要になるのだが、これも結構頭を使わなければ解決できない。とにかく会議の数は自然に増えるものであり、忙しい人がそれに出ないといけないことが勝手に決まっていくものだ。

 この「会議を減らす」ことが簡単ではないから、コンサルタントに高い報酬を払って「どうすれば会議を減らせるか」を企業が相談したりするわけだが、実はコンサルが行うアドバイスを知ってさえいれば、高いお金を払う必要はなく、自分たちでもできる。

 ポイントは2つある。1つは毎回、上の人間がきちんと決断すること。決めないから、現在の状況がだらだらと続いて、同じ会議がまた続くことになる。

 もう1つは、会議資料の前日提出を義務づけること。「会議の内容を知らない人間が集まって、当日に資料の説明を受けるのは時間の無駄だ」という論理で、会議前日の15時には必ず関係者に当日の資料を配布し、参加者は予めそれに目を通して出席する。それが間に合わなければ会議はキャンセルする、というルールをつくる。

 これをやると会議の数が自然に減る。そもそも会議を主催するのが大変になるので、主催する側が必要のない会議を減らそうと考えるようになる。同時に当日の資料が事前に出てくると、それを見れば「今日の会議は要らないよね」というチェックを上の人間が入れることができるようになる。さらにもう1つ副次的な効果は、前日の夜に会議資料をつくるための残業がなくなることだ。

 このように、会議の減らし方の着眼点次第で、残業は構造的に減らすことができる。