英国での法整備を取り入れようと、日本でも2010年7月に日本ケアラー連盟が結成された。「介護者支援の推進に関する法律」(略称・ケアラー支援法)の案文を作成し、成立を呼びかけている。

 国や自治体に施策の策定や事業主に介護者支援を責務とすべきとし、地域拠点の整備を促している。介護者への「ケアラー手帳」の交付はユニークな提案だ。

 では、現実に介護者たちの相談先はどのようになっているのか。英国では民間の支援団体が「ケアラーズ・センター」を全国に展開しており、情報提供や助言を電話や訪問などで活発に行っている。

 一昨年に筆者が訪問したロンドン南部サットン区の「サットン・ケアラーズ・センター」では、「18歳以下の若年ケアラーが増えており、その手助けに追われています」と話していた。

日本の「介護者支援」事情

 日本で介護者支援に真っ先に取り組んだのはNPO法人「介護者サポートネットワーク・アラジン」。東京・阿佐ヶ谷で常設のケアラーズカフェを開設するなど東京都内で介護者支援の仕組み作りに奔走している。

 日本ケアラー連盟の共同代表理事でもある理事長の牧野史子さんは「何時でもどのような介護者でも気軽に立ち寄れる常設のケアラーズカフェがまだほとんどない。もっと広げて行かねば」と訴える。

 注目されるのは埼玉県さいたま市の助成事業。週2回以上開く「介護者カフェ」の運営者に昨年から月80万円もの高額な助成費を出して開設の後押しを始めた。「みぬまハウス」や「生活サポートひなまち」など現在4ヵ所が稼働している。「アラジンの活動に刺激されて」と担当者は話す。

 介護者支援のカフェとしては「認知症カフェ」が各地で登場してきた。2014年1月に国の認知症施策の「新オレンジプラン」で普及が促され、地域の支援団体が続々名乗りを上げている。

 自治体では東京都が最も熱心だ。市区町村を通じて運営費を年間に上限1000万円出している。港、目黒、板橋などの各区や八王子、清瀬の各市でNPO法人を中心に開設が進んでいる。