北アフリカの騒ぎは経済問題なので、その影響を予想するため、中東大産油国の経済力をみてみよう。日本の原油輸入の9割以上は中東依存。その中でも、サウジアラビア、UAE、カタール、クウェートという湾岸大産油国のトップ4で8割以上を占める。これら4ヵ国の経済力に注目してみると、その豊かにあらためて驚く。国民が政権に不満を持つようなレベルと違うのだ。サウジのデモが騒がれたが、あれはサウジアラビア人ではなく、外国人労働者によるデモに過ぎなかった。

大産油国の圧倒的豊かさ

  各国の豊かさを、まず一人当たりGDPで見てみよう。

・サウジアラビア 25,000ドル
・UAE 38,830ドル
・クウェート 39,849ドル
・カタール 85,867ドル

ちなみに
・日本 34,115ドル
・チュニジア 7,962ドル
・エジプト 5,898 ドル

 湾岸大産油国の豊かさは、北アフリカ諸国とはケタ違い。UAE、カタール、クウェートの小国に限っては日本より豊かである。カタールに至っては世界ナンバーワンである。世界有数の豊かさを誇る湾岸大産油国に国内に爆発寸前の経済的な不満があるとは思えない。また、不満が向かってくる前に、潤沢な財政資金で国民に手当てができるのだ。

 北アフリカの政権転覆の原動力となったのが、失業率の高さだといわれる。中東大産油国の失業率を見てみよう。

失業率
・サウジアラビア 10%
・UAE 3.4%
・クウェート 1.5%
・カタール 0.5%

ちなみに
・日本 4.9%
・エジプト 9.2%
・チュニジア 13.2%

 そもそもチュニジアやエジプトと違って湾岸大産油国に失業問題は存在しない。それは失業を輸出しているからだ。好景気の時は外国人労働者を呼び寄せ、不景気になればそれらを追い出す。自国民には手厚い手当てを施している。