2月19日、ニューヨークダウは、金融危機後の最安値を割り込み、前日比89.68ドル安の7465.95ドルと1997年5月以来の安値を付け、23日には7114.78ドルまで下落した。24日の日経平均株価も一時7155円とバブル後最安値に沈んだ。

 最大の要因は金融不安の再燃だ。大手商業銀行の国有化懸念が株価を押し下げた。20日にはシティグループ株は1ドル台、バンク・オブ・アメリカ株は2ドル台を付けた。

 24日は、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の「銀行を国有化する理由は見出せない」との発言を受けて、金融株、ニューヨークダウ共に上昇したが、市場は「テクニカルリバウンド」(藤戸則弘・三菱UFJ証券投資情報部長)、つまり一時的な反発にすぎないと見ている。

 景気対策、金融安定化策、住宅ローン対策。経済・金融危機克服に向けた道具立ては整ったが、さらなる株価下落の懸念は消えていない。それは、対策の肝といえる金融安定化策の具体策が見えず、実効性に疑問が残るからだ。

 中核となる不良資産買い取りのための官民共同ファンドの詳細はいまだ不明。加えて、23日に財務省、FRBなど五者は共同声明で、銀行への追加資本注入の用意があると発表したが、そこには資産査定の結果、資本不足が生じた銀行にはまず民間からの資本調達を求めるとあった。毀損を覚悟で株式を購入する民間の投資家などいるわけがない。

 また、「銀行国有化の理由はない」としたバーナンキ議長の発言は「過半数の株式を保有するまでの出資はしない」(中川隆・大和証券SMBC金融市場調査部次長)という消極姿勢を明らかにしたものと受け取る向きもある。

 当局の公的資金を出し渋る姿勢は明らかだ。そこを見透かした市場から金融不安が消えることはない。放置すれば株価のさらなる下落が待ち受けている。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  竹田孝洋)