行動:まずはできることを、やろう

 未曾有の「大災厄」が日本を襲っています。この原稿を書いているのは、締め切り日である3月18日ですが、福島第一原子力発電所の危機は続いており、数十万人におよぶ被災者の皆さんに未だ十分な支援は行き届いていません。

 私の住む東京でも、電力不足からくる計画停電やそこから来る交通機関の制限が、日常生活や経済活動を締め付けています。多くの外資系企業や在留外国人たちは、万一を恐れて国外への退避を完了しつつあります。

 まさに時々刻々状況は変わり、テレビやネットの情報に、一喜一憂振り回されます。3号機への放水が失敗した、いや自衛隊のは成功した、電源が繋がりそうだ、いや遅れている…。

 この記事がアップされる3月22日は、一体、どんな日でしょうか。そのとき日本はどうなっているでしょうか。たった4日先が、全く読めない。そんな震災後7日目です。

 でも、決めたことがあります。それは「やれることを、やろう」です。頑張れと第三者的に叫ぶのではなく(海外からはそれで良い)、「がんばろう」とみなと共に考え、行動することです。

 東京にいながらでも、できることはさまざまあります。買い占めに走らない、電気を使いすぎない、流言飛語に惑わされない、といった自制的なものもあれば、重要な情報の見極めと発信・伝達といった中継的なもの、そして、自分自身による情報の発信です。

 DIAMOND onlineにおけるこの「場」は、学びを提供する場です。考える練習を、そして行動へのきっかけを、与えるところだと思っています。

 長友選手(インテル)が、ただ喪に服さず異国の地で精一杯プレーするように、私はここで、学びについて書きましょう。あくまで総括ではなく、今、役立つものとして。

学び:現実は常に想定を超える

 現実は常に、想定を超えます。それが科学的なものであれ、心理的・感情的なものであれ、ヒトの立てる想定という名の常識を、現実はいつもやすやすと超えていくのです。