②蛋白質(必須アミノ酸)
…身体の維持と活動、精神の維持
(この栄養を心身に十分に回すには、毎日運動と睡眠が必要)
→食事では、大豆製品、肉類、魚類、乳製品、卵製品の5つ(主食の穀類以外)
→補助食品では、プロテイン(粉末、フードバー)とアミノ酸(BCAA)飲料

<アドバイス>
心と体ではアミノ酸はバランスよく摂取したい。食事では米や小麦などの穀類と大豆製品の食べ合わせはバランスが良い。それにもう1品以上動物性蛋白を加えたい。栄養補助食品ではアミノ酸スコア100の粉末プロテインがよい。アミノ酸飲料は体を張ってフル活動されている方が使う。心の健康、うつの予防にはBCAA以外の必須アミノ酸であるトリプトファンやフェニルアラニン、チロシンなどを多めに摂取する必要がある。

<ポイント>
必須アミノ酸の一部は、脳の神経伝達物質の主材料である。必須アミノ酸のトリプトファンは、脳内でセロトニンになりうつを予防し、さらにセロトニンは暗刺激でメラトニンになり睡眠を維持する。必須アミノ酸フェニルアラニンは肝臓でチロシンというアミノ酸に変換された上で脳内に入りドーパミンに変換され喜びや感動を可能にする。ただし上記アミノ酸が脳に入る際、BBB(血液脳関門)通過しなければならないが、ここで身体系で活躍する必須アミノ酸であるBCAAと競合が起こる。つまりBCAAがトリプトファンやチロシンなどの精神系アミノ酸より相対的に多いと精神系アミノ酸は脳内に入れず脳の神経伝達物質が作れず脳の機能が低下し、うつなどの症状が出現する。精神を維持するためには、精神系アミノ酸を優位な状態にしておかなければならない。

③脂質
…心臓の栄養源、精神の安定および健康維持、免疫および凝固・線溶バランス
(但し、必須脂肪酸の摂取バランスが必要。アンバランスでは心身および免疫系、凝固線溶系のバランスが壊れる)
→食事では、上記蛋白摂取源5つに加え油脂類により異なる脂質が摂取される。
→補助食品では、必須脂肪酸のω3系のEPA/DHAとω6系のアラキドン酸などがある

<アドバイス>
心と体では脂肪酸はバランスよく摂取したい。心の栄養は脳の材料となるコレステロールとアラキドン酸が重要。食材としては肉類や卵が重要。母乳はアラキドン酸を多く含むが牛乳は少ない。サプリメントとしてはまだ馴染みがないがアラキドン酸のサプリは存在する。

<ポイント>
脂肪酸のアンバランスがもたらす病態として、アラキドン酸が多過ぎ、EPAが少な過ぎると動脈硬化が促進され心筋梗塞など心血管系のイベントが増加する。逆にアラキドン酸が少なく、DHAが多すぎると脳内で精神を安定させるアナンダマイド(至福物質)がつくれないためうつ傾向となる。またコレステロールは多過ぎると動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞が増え、逆にコレステロールが低過ぎると、うつや認知症が増加する。精神系脂肪酸と身体系脂肪酸のバランスを保持することが重要。

④ビタミン・ミネラル
…上記3大栄養素の働きをサポートし、免疫系・内分泌系・神経系・循環器系などの円滑な機能の維持に加え、全ての生命代謝に補酵素として関与する(全身約2500種類の酵素の補酵素はこの2つの栄養素で大半がまかなわれている)。さらに抗酸化作用も有し老化や疾病予防にも関与する。

<重要:注意しなければならないビタミン・ミネラルの特徴>
3大栄養素は栄養学的に安定度が高いため調理などの加工や保存に強いが、その一方ビタミン・ミネラルは光・熱・水に弱く不安定なため保存しにくく調理などの加工の際削るか壊されるか溶け出してしまうため非常に不足しやすいのが特徴。特にビタミンB群8種類とCは水溶性であるため摂取しづらいだけでなく、貯蔵ができず排泄も早いためこまめに補給しなければならない。

 また体内での変換効率を比較しても3大栄養素は糖質を脂肪として蓄えられたり、逆に脂肪や蛋白質から糖代謝に取り込みエネルギー源として利用が可能であり変換効率が高い。それに対し、ビタミン・ミネラルは体内でビタミンAをCに変えたりBをE、カルシウムを鉄に変換することは不可能、つまり変換効率がほぼ0であるためビタミン13種類、ミネラル10種類近くをひとつひとつ個々に過不足なく摂取しなければならない。また強ストレス下ではミネラルは吸収率が低下すると共に排泄量は増加。また強ストレス下では活性酸素が増加するため、抗酸化作用を有し抗ストレスホルモンの材料であるビタミンの必要量は高まる。

 ビタミン・ミネラルは摂取しづらいにもかかわらず、その必要量は高まるため震災時の非常食だけでは十分な必要摂取量を満たすことは不可能と考えられる。

→食事では、野菜や海藻、穀物、肉類、柑橘類などに含まれる。
→補助食品では、玉粒(マルチビタミン・ミネラルなどのサプリメント)、ドリンクタイプのものがある。