脳のだまし方 2) 脳は寂しがり屋
第2の条件は「回数」です。
脳は何度も頭に入ってくる情報に対して、「これほど何度も訪ねてくるのだから、重要な情報に違いない。長く記憶に残そう」と判断してくれるのです。
これは勉強でいえば「復習」にあたります。
過去の研究において、人の脳は覚えたものに対して何もせずにそのままにしておくと徐々に記憶が薄れていくことが実験からわかっています。
脳は寂しがり屋で、あまり会いに来てくれない人には、よい印象を持ってくれないのです。
しかし、実は律儀なヤツで訪ねてくる回数が多ければ多いほど、要するに復習の回数が多ければ多いほど、機嫌がよくなって記憶を強めてくれるのです。
「記憶の定着度=復習の回数」ともいえます。
脳のだまし方 3) 脳は感激屋
そして、第3の条件は「感情」です。
人の脳は感情が伴った情報を優先して記憶するようにできています。
感激屋の脳は覚えるときに何らかの感情が発生すると、「これは重要だ!」と反応して記憶に残そうとします。
そのよい例が「思い出」です。思い出が長く残っているのは、体験したときの喜怒哀楽の感情に対して脳が反応したからなのです。
これほど記憶にとって強力な「感情」を勉強に利用するには、覚えるものに対して何か気持ちが動くような情報を付け加えることが必要です。
難しそうに思えますが、そんなに大げさなことではありません。
必要なのは、勉強を楽しもうという姿勢です。ちょっとした工夫によって勉強を面白くすればよいのです。
本当にちょっとしたことでいいのです。
歴史の勉強であれば、歴史上の人物と似ている俳優を思い浮かべるとか。有名な出来事を覚えるのであれば、文章を読むだけでなく映画やドラマのように頭の中でシーンを描いてみるとか。
その他、皆さんもよくご存じの「894(ハクシ)白紙に戻そう遣唐使」のようなゴロ合わせも有効な方法です。無味乾燥な専門用語もダジャレを使うなどすれば、急に親しみがわいてきます。