昭和24年の「キティー台風」による災害復興を目的として始まった熱海花火大会は毎月1回(7、8月は複数回)開催されている

 伊豆だけでなく、熱海、伊東、三島、沼津といった東部エリアは、地図で見れば神奈川のすぐ隣だ。「遠出して遊びに行くなら横浜に行く」とのことで、その分、「静岡県」への帰属意識は薄い模様。

「お茶が生えているのなんて見たこともないし、あっち側(静岡・浜松)で起きていることについては正直、関心がない」(裾野市出身の30代女性)

「大学で東京に出てきて、あ、静岡の人ほかにも知ってるよ、と言われて紹介されると、浜松の人だったりする。高校名を言われてもわからないし、全然話が盛り上がらない(笑)」(東伊豆町出身の30代女性)

 首都圏への近さから、近年は移住先としても人気なのがこのエリアだ。特に新幹線の駅がある三島は、品川まで最速37分。新幹線通勤なら、都内は充分に通勤圏内だ。三島市役所に勤務する原礼敏さんが説明する。

伊豆の河津町は河津桜の名所。2月中旬には見頃を迎えた

「住みやすさと子育てのしやすさ、そして東京へのアクセスのよさから、近年Uターン、Iターン移住する方が増えています。緑も多く、源兵衛川は散策に最適な憩いの場です。3年前には大社の杜みしまという商業施設もできて、おしゃれなカフェやショップもそろっています」

 通信教育のZ会の本社や、日本大学国際関係学部、順天堂大学保健看護学部などのキャンパスもある文教都市・三島。平成27年度の市民意識調査では、88.2%の市民が住みやすいと感じているとの結果が出ているという。子育て世代の移住に対して、最大265万円が交付される補助金制度もあり、家族での移住を考える人に人気なのも納得だ。

 それでは次に、中部・西部に目を向けてみよう。

 静岡と浜松の対比は、頻繁にメディアなどで取り上げられる。どちらも政令指定都市であり、人口も静岡70万人浜松80万人と規模が近いにもかかわらず、対照的な気質を持っているからだ。自動車のスズキ、楽器のヤマハなどが集まる製造業の浜松と、県庁所在地であり行政と商業の静岡。反骨精神あふれる浜松、おっとり気質の静岡といった具合だ。

 さては両市民もバチバチに火花を散らしているかと思いきや、

「いつも雑誌の特集とか見るたびに、あぁ、なんかまた争わされてるな、と思います。別に対立もしてないし、いがみ合ってもないですよ」と静岡出身者。