『プロフェショナルの条件』の込められた意図
「若い人にもドラッカーを!」

累計200冊以上、ダイヤモンド社と仕事をしてきた重原さん。ダイヤモンド社との仕事で最も印象にのこっている作品は何なのだろうか。

 やはり、『プロフェショナルの条件』ですね。ちょうどこの作品の前まで、ドラッカーさんの本の装丁というものは別の方がやられていたんです。

「軽やかなかっこよさ」を目指したという『プロフェッショナルの条件』。
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 当時のことでよく覚えているのは、担当編集者の方から、「今のままだと、エグゼクティブクラスの人にしか読まれない。若いビジネスパーソンにも広く読んでほしいから装丁の雰囲気を変えたい」「とにかくカッコよくしてほしい」と言われたことです。

 僕自身、ドラッカーが重要だとは実はわかっていなかったんです。でも、編集者のコンセプトを考えてみると、少し見えてきたんです。バブル以降、ビジネスパーソンってみんなカッコよくなったじゃないですか。オフィスもきれいになったし、いいスーツ着て、いい鞄持って。それで、そのカッコいい鞄に入れて持ち歩くには、本もカッコよくないといけないだろうと思ったんですよ。それで、今までのビジネス書の、重たい、重厚な感じから、軽やかな雰囲気を出したいなと。「軽やかなかっこよさ」みたいなものを出そうと。