売れるコンテンツには法則がある
たとえば、オウンドメディアや自分のブログに人を集めるためには、どんな記事を書けばいいのでしょうか? ひと言で答えるなら、読者が求めるコンテンツを書けばいい、ということになります。
自分の講演会やセミナーにたくさんお客さんに来てもらうためには、来場者が聞きたくなるような「コンテンツ」を話せばいい、ということになります。
売れる商品を企画する時に、最初に考えなければいけないことは、その素材や材料、キャッチコピーではなく、消費者が求める「コンテンツ」を組み込めるかです。
考えてみたら当たり前かもしれません。問題は、どうすればその「相手が求めているコンテンツ」を見極められるか、ですね。
まず自覚しなければいけないのは、「自分が提供したいもの」が必ずしも「相手がほしいもの」にはならない、ということです。失敗するケースの多くが、自分が伝えたい、自分が提供したい、という視点が強すぎます。あまりにも自分の思いが強すぎて、押し売りになってしまうわけです。こうなると、相手が求めているコンテンツにはなりませんね。
同時に、いくら大切なことでも、本質的すぎてまだ相手が必要性に気づいていない内容は相手に興味を持ってもらえません。
たとえば、20代の男女に向けて「老後も長く健康でいられるように、今から体力をつけておいた方がいいですよ」と健康プログラムを提案しても、おそらく興味を持ってくれないでしょう。
雑談として話は聞いてもらえるかもしれませんが、真剣に考えてくれる人はかなり少数派だと思います。病気の予防についても同じようなことが言えます。大きな病気になった時、これまでの自分の不摂生を反省したり、もっと自分を大切にするべきだったと後悔したりする人は大勢います。
みんな健康でいたいと願っていて、実際に大きな病気にかかった時には、かなりのお金を払ってその病気を治してもらおうとします。みんな病気になりたくないと考え、「病気にならない身体をつくる」というテーマにも関心を持っています。
ですが、多くの人が健康を真剣に考えるのは「病気になったあと」です。「予防医療」という考え方があります。病気になってから対処するのではなく、病気にならないように日々ケアをしておこうということです。これはとても大切な考え方だと思います。特に医療費に多額のお金がかかっている日本では、日本国民が病気にならないようにすることが国家財政の救いの手でもあるんですね。
でも、ぼくらは「病気になる前のケア」にお金を払いません。自分を振り返って考えてみたらすぐにわかると思います。ここ1年といわず、ここ数年、場合によっては生まれてからを振り返って考えてみて、「病気にならないようにする」ことを純粋に目的にしてかけたお金はいくらありましたか? ダイエット目的や「ゴルフをやっていれば健康にもいいかもしれない」という後づけの理屈ではなく、純粋に病気を防ぐためにいくら使いましたか?
おそらく多くの人は、1円も使っていないでしょうし、お金をかけたとしても、たまにサプリメントを買うとか、健康にいい食事をするとか、その程度かと思います。
単に自分が伝えたいことを提供しても、求められるコンテンツにはなりません。さらには、本質的に大切なことを提供すればいいというわけでもありません。人を惹きつけるコンテンツにするためには、別の要素が必要なのです。