交通事故厳罰化時代に
ドライバーが備えるべきこと

 一方で、どれだけ注意をしていても、運転ミスなどで自分が加害者になってしまう場合もある。交通法規の厳罰化が進んだ昨今、クルマを運転すること自体、かなりのプレッシャーとなってしまうが、ドライバーは何に注意すればよいだろうか?

「ドライバーの自衛手段として効果を発揮するのは、走行中の映像を記録できるドライブレコーダーです。ドライブレコーダーがあれば、事故を起こしても自分と相手の過失割合もきちんと証明ができますので、相手が飛び出してきたから避けられなかったという証明ができたり、“死人に口なし”という処理のされ方も防げます。ドライブレコーダーは、加害者と被害者だけでなく、第三者が記録したものも証拠になりますので、今後、もっと普及することが望まれます」(同前)

 それでも万が一はある。自分が加害者として事故を起こしてしまった場合、心配なのが賠償金の支払いだ。現行法では自動車や原付自転車の運転者は自賠責保険への加入が義務付けられているが、これによって保証されるのは、最低限の損害賠償金でしかない。

「自賠責保険で保障されるのは、死亡事故の場合、3000万円まで、重度の後遺障害の場合は4000万円まで。しかし、現実の交通事故では、他人を死亡させてしまったり、重い後遺障害を負わせてしまった場合などは、何億もの賠償金を支払うことが多々あり、自賠責保険の賠償金だけでは足りません」(同前)

 賠償金の支払いのために資産をすべて失い、家族もバラバラになってしまったというケースもよく聞く。万が一、重大事故を起こしてしまった場合でも、自賠責保険の範囲を超えた賠償金をカバーしてくれるのが、任意の自動車保険だ。

「最近は搭乗者が死傷した場合に補償が降りる人身傷害保険というものがあり、これに加入していれば、自分が被害者となった場合、仮に加害者が保険に入っていなくとも損害が補償されます」(同前)

 交通事故による死者数は「交通戦争」と呼ばれた1970年にピークを迎え、1万6765人に上った。現在はその4分の1以下に減っており、大きく改善したといえるのだが、一瞬のミスで失われる犠牲者は少なければ少ないほどいい。交通安全週間を機に、クルマに乗る前には任意保険の加入、クルマに乗ったら、まずシートベルトという、当たり前のことを徹底する大切さを、改めて認識してほしい。