偏差値35の落ちこぼれが 奇跡の東大合格をはたした、『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』。本連載では同書の勉強嫌いでも続けられるゲーム式暗記術や、東大生の勉強にまつわるエピソードを紹介していきます。「英熟語ポーカー」「単語マジカルバナナ」「メモリーチェックゲーム」「暗記復讐帳ゲーム」など英語、資格試験……なんにでも使える24のゲーム式暗記術に注目です!
カードゲーム感覚で暗記!?
暗記トランプのつくり方
カードゲームは好きですか? 私は大好きです。「神経衰弱」も「ババ抜き」も、「ダウト」も「大富豪」も、どれもこれもとても楽しいですよね。友達とやっていると、ついつい時間を忘れて遊んでしまいます。その上、どんな人とでも、トランプさえあれば遊ぶことができます。ルールさえ知っていれば、年齢や性別を超えて、楽しめるのです。
「人や場所を問わず、時間を忘れて興じることができるゲーム」であるという点で、カードゲームは偉大だと思います。それに比べて、暗記の大変さといったら無いですよね。カードゲームをしていると時間が経つのはあっという間ですが、暗記をしようとするときの時間の経過はとても遅く感じます。
「うぇぇ……まだ20分しか経ってないのか、5、6個しか暗記できてないし……」なんて経験、みなさんにもあるのではないですか?
「カードゲーム感覚で暗記をすることはできないかな?」
「時間を忘れて、あっという間に暗記できる方法はないか?」
そう思って、私が試行錯誤を繰り返しながら開発したのが、暗記とカードゲームを組み合わせたゲーム式暗記術、「単語神経衰弱」です。まず、カードとなる暗記トランプの作り方です。
★暗記トランプつくりかた★
(1)ルーズリーフ7枚とハサミとペンを用意し、ルーズリーフを縦に1回、横に2回折り、ハサミで切る。
(2)切って作った52枚のカードのうち、ルーズリーフの穴が空いていない26枚を「日本語・意味カード」にする。
(3)暗記したい単語を13種類用意し、穴が空いている方2枚に暗記したい単語を、空いていない方2枚にその日本語・意味を書く。
トランプには、同じ数字のカードがスペード・ダイヤ・ハート・クローバーの4枚あるので、同じように4枚のカードに、それぞれ同じ単語・意味を書きます。たとえば「achievement」=「達成」という単語を覚えたければ、穴の空いたカード2枚に「achievement」と書き、穴の空いていないカード2枚にその意味の「達成」と書いてください。
(4)混同してしまうといけないので、対応する4枚のカードにはきちんと同じ番号を書いておく。
たとえば、「achievement」と書いてある2枚と「達成」と書いてある2枚には、「1」と振り、次の単語と日本語のカードには「2」と振り、最終的に「13」まで振りましょう。これで、暗記トランプは完成です!
たとえば日本史・世界史なら、「年号」と「歴史上の出来事」を覚えるカードにできます。穴の空いたカード2枚に年号を、穴の空いていないカード2枚に歴史上の出来事を13種類書けば完成です。また、「用語」と「その用語の意味」もカードにできます。穴の空いたカード2枚に用語を、穴の空いていないカード2枚にその用語の意味を同じく13種類書けば完成です。
同じ要領で「問題」と「答え」でも大丈夫です。穴の空いた方に問題を、穴の空いていない方に答えを書けば完成です。さらに、「意味が2つある単語」と「その単語の意味」なんかもカードにできます。穴の空いていないカード2枚それぞれに別意味を、穴の空いた2枚に「その2つの意味がある単語」を書けばOKです。同じように、「同義語2つ」と「意味1つ」でもできます。
ただ、「穴の空いていない方」が「日本語・意味」の原則だけは守りましょう。穴の空いたカードに書くのは「単語」「年号」「用語」「問題」です。こんな風に、暗記トランプは科目などを問わず、作成できます。別に1つの科目で統一する必要もないですから、たくさんの科目、自分の苦手な分野を集めて作成するのもいいでしょう。
最強の暗記法「単語神経衰弱」とは
トランプを作るのも楽しいのですが、次は「単語神経衰弱」の紹介です。
★「単語神経衰弱」のルール★
(1)52枚のカードを、裏面にしてランダムに床に並べる。
(2)2人以上でやる場合にはじゃんけんで順番を決め、穴の空いたカードを1枚選び、表にしてみる。
先ほど、穴の空いたカードには「単語」「年号」「用語」「問題」を書きましたね? とりあえずこちらからひっくり返してみましょう。
(3)次に、「日本語・意味」を書いた穴の空いていないカードを1枚選び、表にする。さっき表にした穴の空いたカードと対応するカードなら、そのカードのペアをゲットできる。対応しないカードなら、どちらも裏に戻す。
暗記トランプを作成するときにわかったと思いますが穴の空いたカードと穴の空いていないカードでペアができます。穴の空いたカードを引いた後は「日本語・意味」の穴の空いていないカードを引きましょう。
(4)これを繰り返し、1人の場合は全部のカードをゲットすればゲームクリア! 2人の場合は、ゲットしたカードの数で競い、数の多い方の勝ち!
穴の空いていたカードを表にした段階で、「対応する『日本語・意味』カードはなんだろう?」と考えてみよう!
たとえば、はじめに「achievement」と書かれたカードを引いたら、「対応するカードは『達成』だな!」と考えてみましょう。1人でも大人数でも、この「暗記トランプ版神経衰弱」は楽しいものです。私も、最近だとドイツ語の単語を書いた「暗記トランプ」を作ってやっています。
こんな風に、暗記トランプを使ってカードゲームをすれば、時間を忘れて楽しく暗記をすることができます。1人でも大人数でも実践することができますから、みなさんもぜひ、やってみてください!