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任天堂 岩田聡社長インタビュー
「Wii Uはゲームの家庭における存在意味を変え、
ゲーム人口拡大に貢献する」

E3スペシャル(前編)

石島照代 [ジャーナリスト]
【第18回】 2011年6月16日
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「つながる」ことのおもしろさと、
ユーザー保護との兼ね合いはどう取るべきか
任天堂はユーザー間のリテラシー差を配慮したい

――Wii Uと「ニンテンドー3DS」との具体的な連携は?

 細かいことをお話しするには時期尚早かと思いますので、少しだけお話しします。3DSは「持ち歩いていただくデバイス」なので、内蔵されている「すれちがい通信」や「いつのまに通信」機能で特別な意識をしなくても、人と人との交流やインターネットとのやりとりが可能です。

 一方で、Wii Uをなるべくインターネットに繋いでいただきたいとは思いますが、そうされない方もおられます。そういう方でも「3DSを持って外を歩いて自宅に戻ってきたら、Wii Uに変化が起きたらうれしいだろうな」と思うんですよね。ネットワークに繋がないから全く変化が起こらないのではなくて、3DSが受けた情報をWii Uに渡すことができたら、どのような変化を起こせるのかということについて、今は社内で議論を深めている段階です。

――3DSを「ツイッター」や「フェイスブック」のようなSNSサービスと連動させたらおもしろいのでは?

 たしかに、「ツイッター」のように140文字くらいの情報を、知らない人と「すれちがい通信」でやりとりできたらおもしろいだろうなということは、分かっています。ですが、そういうことで発生するハラスメントをどう防ぐのかが課題です。国によっても異なりますが、お子様の個人情報などが勝手にやりとりされることには、厳しい目で見られますから。

――ネットビジネスは、今後積極的にやっていくのですか?

 Wiiではすでに「バーチャルコンソール」の提供を行っていますし、3DSでも6日からネット販売サービス「ニンテンドーeShop」を始めています。

 ですが、娯楽と「毎月お金がいくらかかります」という状況は、あまり相性がよくないと考えています。また、確かに我々は、毎月お金が口座から引き落とされるスタイルのビジネスや、アイテム課金のようなビジネスは、してきませんでした。なぜかというと、我々のお客様には小さなお子様をはじめ、こういう情報にあまり詳しくない方が数多くおられますし、その方々にとって「気がついたらお金がたくさん取られていた」ということはない方がよいのではないかと考えてきたからです。

 任天堂はこのスタンスを当分変えるつもりはありませんが、他社さんがご希望になったときのための準備を進める必要はあると思っています。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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