中国経済の鈍化が鮮明になっている。中国製造業PMI(購買担当者指数)を見れば明らかだが、ピークから鈍化傾向をたどっている。自動車の新車販売台数(工場出荷ベース。商用車・輸出を含む。前年同月比)を見ても、4月の0.3%減に続いて、5月も3.7%減と2ヵ月連続の減少である。政府の小型車や農村向け軽自動車の購入刺激策が打ち切られたこともあるが、需要に一巡感が台頭していることが大きい。
自動車メーカー各社は膨大な設備投資を繰り返し、2015年には年間4000万台生産体制となるが、同年の新車需要は3000万台との観測もある。また、中国政府は鉄鋼、アルミなどの素材業中心に、過剰設備削減を強く求めている。リーマンショック以降のなりふり構わぬ景気刺激策が、転機を迎えている。日本でも話題になった省エネ製品を対象とした「家電下郷」も終了した。