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ソーシャルビジネスに浮かれるのもよいが、
インターネットの基本の「き」
ドメインネームにも鉱脈はまだ眠っている

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第151回】 2011年6月30日
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 先頃はアフリカで象狩りをし、その一部始終をこれまたビデオに収め、射止めた象の横に立ってポーズをとったりしたことで、動物愛護協会からの抗議が殺到した。しかし、本人は「住民が飢えに苦しむ地域で、作物を食い荒らす悪い奴を退治したのだ」と意に介さない様子だ。

 話を本題に戻そう。じつはドメインネームビジネスには第二の大波が押し寄せつつあるのをご存知だろうか。

 その前哨戦と言えるのが、「.xxx」というトップレベルドメイン(TLD)の行方だ。TLDとは、ドメインネームの最後の部分。「.com」「.co.jp」「.edu」「.org」などがよく知られているが、現在20あまりしかないこのTLDが今、自由化されつつある。

 本格的な自由化は今年秋からの予定だが、それに先駆けて少しずつ承認を受けている中に、「.xxx」が含まれている。そのTLD付きのドメインネームを売る権利を、ゴーダディーが手にしたのである。

 なぜこの「.xxx」が重要か。それは、英語で「x」はキスマークのことだからだ。「x」が3つもついたこのTLDは、アダルトビジネスに受けるTLDと目されている。「.com」などは値崩れが起きて、今では10ドル以下で売られている場合もあるが、「.xxx」ならば値段をつり上げても需要は絶えないはずで、ゴーダディーの売上が増えると投資家たちは踏んだのだろう。

 そして、「.xxx」はほんの前哨戦だと述べたのは、ICANNがTLDをすっかり自由化することを決定したからである。

 つまり、これからは「.com」に替わって、「.car」「.tokyo」「.street」「.food」などのTLDも可能になる。そうなると、「.xxx」で予測されるように、同じような業界のビジネスをまとめ上げたり、同じ都市の商売をひとつのグループとして囲い込んだりといったことが、ドメインネームビジネスでできるようになる。ここにまた新しい市場が生まれるというわけである。

 ゴーダディーは、この新しいドメインネームビジネスの中核を握っている。現在でも8億ドル程度の収入があるといわれる同社は、ドメインネームに加えて、企業がウェブサイトを設ける際に必要となるサービスをパッケージ化して提供、さらにクラウドへの進出も目論んでいる。

 インターネットの話題は、フェイスブックだ、ツイッターだと、ソーシャルネットワークに集中しているが、じつはインターネットの基本の「き」であるドメインネームにもまだ大きなビジネスチャンスが眠っているのである。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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