これが、AIにピタリとはまった。現在流行している深層学習(ディープラーニング)などのAIの性能を上げる技術では、大量のデータを機械に読み込ませる必要がある。そして、GPUの作業をAIの“学習”に特化させると、学習速度が飛躍的に向上することが分かってきたのだ。

 エヌビディアのGPUはAIの学習分野で“1強”の地位を固めつつあり、自動運転などAIに関係する企業から引く手あまた。5月10日にはトヨタ自動車との協業を発表し、エヌビディアはAI向け半導体の“覇者”として、時価総額が1年前と比べて約3倍の809億ドル(約9兆円)、5月20日時点)まで上昇している。

 ソフトバンクは保有しているエヌビディアの株式数や、今後のファンドの投資先について明言を避けたが、「エヌビディアの株式を保有していることは事実」と認めている。

 昨夏、スマートフォン向け半導体の覇者であるARMを3.3兆円で買収して世界を驚かせた孫社長。時価総額を考えるとエヌビディアの買収は容易ではないが、AI半導体の覇者に狙いをつけた孫社長の野望は、ファンドの資金で実現するか。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)