ゲームソフトを購入するなら、量販店やゲームソフト専門店、amazonなどの店舗で買い求めるのが一般的だ。ところが、最近では、ネットワークを経由し、ダウンロードによってゲームを手に入れる人が増えている。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のPlayStationRStore、任天堂Wiiショッピングチャンネル、マイクロソフトXbox LIVEなど、ゲーム機器メーカーはダウンロードサービスを提供している。音楽ソフトでは、すでにiTunes Storeなどの音楽配信サービスにより、ネットワーク経由で購入する方法が根付いている。同様に、ゲームもネットワーク経由でダウンロードする方法が一般化するのではないかと見られている。
PSP goはUMDドライブがない分、小型軽量化が進んだ。 |
それを証明するかのように、11月に発売されるPSPの新ラインアップ、PSP(プレイステーション・ポータブル)goは、ゲームソフトのダウンロードに向いている仕様になっている。
これまでのゲーム機はCD-ROMやDVD、メモリーなど、パッケージ化されたゲームソフトを差し込んで遊ぶスタイルが主流だ。従来のPSPなら、UMDというメモリーをゲーム機に入れるようになっている。だが新製品のPSPgoは、なんとUMDドライブを取り払ってしまった。代わりに16GBのフラッシュメモリを搭載。UMDのゲームソフトを買わずに、ダウンロードによって、メモリーに遊びたいゲームを取り込むようになっている。
「PSP、PLAYSTATIONR3などで、ネットワーク関連のサービスを提供していますが、無料アカウントの取得件数が全世界で約2500万件になりました。ネットワーク利用者層は大きく育ってきています。今後もネットワークのサービスに力を入れていきたいです」(SCE 広報部)
SCEによると、若いユーザー層には、UMDなどの「形」のあるものへのこだわりが少なくなっている。ダウンロードによるソフトのように、「形」がなくてもかまわないという人が増えているという。とはいえ、従来からゲームの世界では、ゲームソフトのコレクションを楽しむ層もいる。SCEでは、発売後は現行型のPSPの生産を止めるのではなく、PSP-3000、PSPgoを併売し、顧客が自身の好みに合わせて購入できるようにしていくという。
同じゲームタイトルを購入する場合、UMDで購入するよりもネットワーク経由で購入するほうが、およそ1000円程度定価は安い。近所に家電量販店やゲームソフト販売店がないという人や、忙しくてゲームソフトを買いにいく時間がないという層が、ネットワーク経由でゲームを購入する利便性に気づいたら、より利用者が増える可能性がある。
PSPgoは、将来、ゲームソフトをダウンロードにより入手するスタイルが定着する方向に進んでいることの兆しだといえる。
(江口 陽子)