参ロードは、田んぼと住居の間を貫いている。旧永平寺線のメモリーとして一部の軌道が残されていたが、実証試験のために近く、撤去する Photo by Kenji Momota

 河合町長は「自動運転に関して、様々なチャレンジをしていきたい。そのなかで、町の子どもたちに自動運転という最先端技術を身近で感じてもらいたい」(河合町長)と熱く語ったのが印象的だった。

 そして、今回の実証実験ついて最も重要となる財源については、道路整備費として1億2000万円を確保した。このうち、6000万円を内閣府の地方創生拠点整備交付金、3000万円を福井県、残りの3000万円を永平寺町が負担する。

「雪が降る前には開始したい」(総合政策課)という今回の実証実験自体については、経済産業省から産業総合研究所への委託事業であるため、永平寺町からの直接的な金銭の負担はない。

まちづくり会社の設立と、県のサポート

 自動運転の実用化に向けた、永平寺町の本気度の高さを示すのが、町役場の中に設立する『まちづくり会社』だ。ここが、自動運転の事業化に向けた本丸となる。

『まちづくり会社』への出資比率が最も高いのが、福井市を拠点とする大手バス会社の京福バスだ。

福井市の大手バス会社、京福バス。代表取締役社長の天谷幸弘氏(左)と経営推進部・企画・営業グループ部長の矢部良智氏 Photo by Kenji Momota

 福井市内の同社事業所で、経営推進部・企画営業グループ部長の矢部良智氏から永平寺町周辺の路線バスの現状の説明を受けた後、同社代表取締役社長の天谷幸弘氏にも話を聞いた。

 天谷氏は「公共交通の事業運転は、お客様の利便性とコストのバランスが決め手。交通量の少ない地域での新しい公共交通として、自動運転の在り方を考えたい」と、自動運転が、既存の公共交通と競合になるかもしれないことを承知の上で、永平寺町のチャンレンジに投資を決めたと語った。