東大生は頭がいいというより
超合理的!?

西岡 東大に入って実感したのは、東大生って、「最小限の努力で最大の結果を出せるコツを心得ている」ということなんです。もともと自分で持っている人もいれば、東大で獲得した人もいるんですが、とにかくそれがすごいなぁと思って。試験対策も集団でやりますからね。

努力や勉強を続けられる人は、普通の人とマインドセットが違う鈴木秀明(すずき・ひであき)
資格・勉強コンサルタント。1981年8月4日富山県生まれ。東京大学理学部卒業。東京大学公共政策大学院修了。24歳でAll About「資格」ガイドに就任。行政書士、中小企業診断士、気象予報士、証券アナリスト、宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士をはじめとした500を超える資格をすべて独学で取得。年間50以上のペースで資格を取り続けている。資格試験の試験機関へのコンサルティング・プロモーション支援や、テレビのクイズ番組への問題作成支援などの活動も行う。近著に『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』(ダイヤモンド社)がある。

鈴木 私の時代にもありました。「試験対策委員会」ですよね。

西岡 それです。私、今その委員長なんですよ。試験対策プリントをまとめてみんなに配ったり、交渉してほかのクラスからプリントをもらってきたり。あとは、「この先生は単位をくれやすい」などと先生を“逆評定”したり。

鈴木 データブックまで売ってますからね(笑)。

西岡 そうなんです。東大生はみんなもともと頭が良くて勉強ができるっていうイメージを皆さん持たれているかもしれませんが、実は、そうではなくて、合理的に効率的に勉強するのが徹底的にうまいんじゃないかと思うんですよね。毎日必死に勉強して90点とるよりも、1時間の勉強で80点とっておけばいい、みたいな。それからすると、鈴木さんの勉強法は、まさにその流れですよね。

鈴木 そうかもしれないです。

西岡 東大の友だちが読んだら、「そうそう、これだよね」ってなると思いますよ。

鈴木 東大って、いかにも「勉強してます!」みたいなギスギスした空気があまりないですよね。東大入試で人生最大級の壁を乗り越え終わっているせいかもしれないけれど、周りをライバル視するようなこともほとんどない。

西岡 そこも合理性なのかもしれないですね。いがみあうよりはみんなで頑張ったほうが時間も短縮できて効果的ということなんだと思います。

鈴木 私のときは先輩から過去問を入手していましたが、それは今でもやっていますか?

西岡 はい、やっています。それも、情報をフル活用して結果を出すということにつながるのかな、と。そうやって鍛えられて覚えたやり方が、将来の資格試験などにも生かされるのかなと思いますね。

誰でもできる
勉強法がある!

鈴木 そういう意味でも、私たちが提示しているのは、本当に誰にでもできる効率的な勉強法だと思います。「東大だからできるんでしょう?」と言われることもありますけど、決してそんなことはない。私の『7日間勉強法』なんて、むしろ、すごく勉強のできる天才に、超短期の付け焼き刃で追いつく勉強法ですから。そもそも私自身、塾もない田舎の出身だし親が金持ちでも頭がいいわけでもない。人生のスタートラインがそんなだから、「東大だから」って言われてもなぁって、思っちゃいますよ(笑)。

西岡 それでいうと、私なんかもともと偏差値35の人間ですから(笑)。私の本も、東大生がやっているような点を取るためのスキルを伝授する、みたいに思われがちですが、そういう方向性ではないんですよね。頭のいいあいつらに追いつくためにはどうしたらいいかを突き詰めた結果、生まれた暗記術なんです。

鈴木 私もそうですが、もともと持っていたものではなくて、何とか結果を出すために工夫して生み出したスキルですよね。

西岡 その通りです。

鈴木 ゲームでも、どういうアイテムがあったらボスを倒せるのかを考えながら進んで行きますよね。考えているうちに出てきたもの、思いついたものが最終的にはスキルとなって身についていくのではないかと思いますね。

西岡 それを知っていれば、人生においても変わってくることっていっぱいありますよね。鈴木さんの本にも私の本にもそのようなスキルが紹介されているので、ぜひ読んで実践していただければと思います。

鈴木 そうですね。何をどうやったら結果が出せるか、効率的に進められるか、というのは、勉強に限らず、いろいろな場面で考えるくせをつけておくといいと思います。そういう思考訓練や考えるプロセスは、仕事力にも結びついていきますし、社会でも活かせると思っています。