6月に刊行されたばかりの新刊『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』の著者・鈴木秀明さんと『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』の著者・西岡壱誠さんによる東大×勉強法対談<前編>です。500を超える資格試験に合格している鈴木さんと、偏差値35の落ちこぼれから東大合格を果たした西岡さん。お二人の勉強法のヒミツを探ります。(構成:狩野南)
ハードルを下げれば
勉強も暗記も楽しくなる
西岡 鈴木さんは、東大の先輩というだけでなく、私が所属しているサークルの先輩 でもあるんですよね。今回お会いする前に一度ご連絡をいただいたとき、「今のサークルの方針について何か問題でもあるのかな?」って、思わずそちらのほうを心配してしまいました(笑)。
資格・勉強コンサルタント。1981年8月4日富山県生まれ。東京大学理学部卒業。東京大学公共政策大学院修了。24歳でAll About「資格」ガイドに就任。行政書士、中小企業診断士、気象予報士、証券アナリスト、宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士をはじめとした500を超える資格をすべて独学で取得。年間50以上のペースで資格を取り続けている。資格試験の試験機関へのコンサルティング・プロモーション支援や、テレビのクイズ番組への問題作成支援などの活動も行う。近著に『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』(ダイヤモンド社)がある。
鈴木 大丈夫ですよ(笑)。たまたま『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』を手にとってプロフィールを見たら、サークルの名前があったので連絡したんです。大学2年生でダイヤモンド社さんから本を出すなんて、すごい後輩だなぁと思って。
西岡 恐縮です(笑)。
鈴木 おもしろい暗記テクニックをたくさん紹介されていますね。漢字と英単語を同時に覚える方法とか、あとは“3日後の自分に問題を出す”というゲームも興味深かったです。
西岡 「タイムカプセル暗記ゲーム」ですね。
鈴木 私も、自分で問題を作って自分で問いてみることがよくあるので、問題の完成度が高ければ解けなくて悔しいし、解けたら解けたで作問側の自分としては悔しいというのは、「確かにそうだよなぁ」と思いながら読んでいました。
西岡 そうなんですよ。問題を作るのも解くのも自分だから、勝っても負けても悔しいという。そこが面白いな、と思ったんです。
鈴木 テクニック以外にも、ところどころにいい話、泣かせる話が出てきますよね。それもよかったです。
西岡 ありがとうございます。勉強の本ではありますが、「ゲーム式」と言っている以上、あまり硬くなりすぎるのもよくないなと思って、柔らかめのエピソードも入れてみたんです。勉強も暗記も、ちゃんとやらないと結局は身につかない。だったらそのハードルを下げて、『一緒に楽しくやろうよ!』というスタンスで書かせていただきました。
勉強法は
“使い分け”が肝心!
西岡 鈴木さんの『効率よく短期集中で覚えられる7日間勉強法』は、帯に書いてある通り、まさに「超合理的な方法」ですよね。
鈴木 ありがとうございます。
西岡 7日間で覚えるためには、捨ててもいいものは捨てたほうが効率的だというのはその通りだと思いました。捨てるタイミングや、問題を色分けして分類するやり方などもきちんと書かれているので、これなら本当に7日間のスパンでできるな、と。
鈴木 そうですね。体系的な勉強法というよりは、7日間という短い期間で結果を出す方法として有効だと思っています。
西岡 超短期間で絶対覚えられるコツが詰まっていますよね。私も今度の試験の際にはぜひともこの方法を使いたいです(笑)。暗記に関しても、直前に覚えるのがメインですか?
鈴木 直前に集中して叩き込みますね。
西岡 それからすると、私の暗記術は逆に長いスパンを想定しているのかなと思います。短距離走ではなく、マラソンのイメージで、持続しながら覚えていく。長く続けるためにも、ハードルは下げたほうがいいと思って、「ゲーム式」にしたという面もあります。
鈴木 そこはどちらもありですよね。直前の試験のためにやるのか、今後の仕事に活かすスキルを身に付けたいのかなど、目的に応じて変わってきますから。
西岡 そうですね。同じ資格試験でも、ただ資格が必要だから取る人もいれば、きちんとその道の勉強をしたい人もいる。人生においては両方のケースがあると思うので、両方のやり方を知っていることが強みになりますね。
鈴木 「自分のゴールと現状のギャップから逆算して『やること』とその『タイミング』を決める」というのは、西岡さんの暗記術も私の勉強法も共通していると思うんです。短期記憶で覚えるのか、長期記憶に残すのか、その使い分けが大事になってきますね。
西岡 本当にそうだと思います。