値段が下がり量も拡大
そして新勢力が台頭する

 まず、第一の法則は、その産業の商品やサービスの「値段が大きく下がる」ということだ。

 一般的には、銀座などの寿司の値段に比べて、持ち帰り寿司などチルド技術を背景にした家で食べる寿司の値段は低く、寿司業界の裾野を広げる大きな役割を果たしている。エンターテインメントも同様だし、通信もここ数十年で通信料金は大幅に下落した。

 第二の法則は、その産業の「量的な拡大」が発生するということだ。

 寿司やエンターテインメントを楽しむ機会は、「同時性」が要求されていた時代に比べると格段に増えた。また、通信業界では(良いか悪いかは別にして)、われわれがスマホやタブレット端末に向かう時間が圧倒的に長くなった。『メディア定点観測』によれば、20代女性の場合、1日にスマホやタブレットを使う時間は、2007年の25分から、2016年には238分へと9.5倍になっているという。

 第三の法則は、産業の業界構造が大きく変わり、「新たな勢力が台頭する」ということだ。

 寿司業界では、持ち帰り寿司や回転寿司といった新しい勢力が台頭して雇用を生み出すなど、日本経済に大きく貢献している。通信業界でも、従来はカーストの頂点にいたキャリアの存在感が相対的に低下し、むしろスマホの非音声通信をサポートする企業(グーグルなど)が業界の主要プレーヤーへと躍り出た。

 こうした三つの法則は、多くのサービス業において当てはまると推測される。医療などはその最たる例だ。病院の予約がウェブで可能となったり、人間ドックの結果が移動中のタクシーの中でチェックできるようになったり、今後10年で医療における「同時性」はかなりの部分で解消されるだろう。