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ソニーの次の標的がなぜフェイスブックに?
誤解されがちなハッカーたちの行動原則と生態

ガブリエラ・コールマン ニューヨーク大学准教授に聞く

2011年8月30日
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 また、これだけ前もって攻撃を明らかにするのも珍しい。数日の間に議論が盛り上がり、行動に出るのが普通だからだ。フェイスブックに対して本当に攻撃に出るのか、もう少し注視が必要だろう。 

――アノニマスのメンバーは全体で何人くらいいるのか。

 ウィキリークスの後方支援の際には、約7000人がこれに関連したインターネット・リレー・チャット(IRC)に参加していた。その時々のオペレーションによって参加者の数は増減するが、700~1000人くらいのメンバーがいると見るのが妥当かもしれない。

――アノニマスのメンバーになるには、正式な手続きが必要なのか。

 誰でもメンバーになれる。だから、いろいろな派が生まれる。彼らがたむろしているIRCやインターネット・フォーラムは完全に閉じられたものではない。フォーラムにパスワードが必要な場合は、スパムを防止する目的でそう設計されているだけだ。

――グループの中で上下関係があったり、リーダーがいたりするのか。

 オープンソースのソフトウェア開発では、メンバーが多くなるとリーダーが生まれたり、ポリシーや手続きが定められたりして組織化されていくのが普通だ。だが、アノニマスは、その時々のオペレーションによってアドホック(その場限り)のリーダーが出てくることはあっても、通常は上下関係はない。あるとすれば、インフォーマルな決まりがあるくらいだ。ただ、破壊的な行動を繰り返すようなメンバーを、プログラムを管理しているリソースマネージャーが立ち入り禁止処分にすることはあるようだ。

――セキュリティホールが見つかれば、ハッカーたちはすぐにどんな手段に打って出るかを話し合うことになるのか。

 セキュリティホールは、あらゆるハッカーの注目を集める。ただ、ハッカーにも実際の行動や道徳観についていろいろな伝統があり、そこで大きな議論が巻き起こる。

 まず企業に知らせ、それでも直さない場合にはセキュリティホールの存在を公開しようという者もいれば、最初から公開してしまえばいいという者もいる。さらにセキュリティ会社と組んで、問題解決に取り組もうという者もいる。この種の議論は、じつは20年以上にわたって続いている。

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