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ソニーの次の標的がなぜフェイスブックに?
誤解されがちなハッカーたちの行動原則と生態

ガブリエラ・コールマン ニューヨーク大学准教授に聞く

2011年8月30日
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――今回のソニーのサーバーへの侵入に際しては、どうだったのか。

 もちろん、真剣な話し合いが行われていた。興味深いのは、今回アノニマスとラルズセックは、「アンチセック」と呼ばれるハッカーの伝統を蘇らせたことである。

 ここでいうアンチセックとは、盗み出したデータをブラックマーケットで売って金儲けをしようとするハッカー行為に反対する動きであり、対抗措置としてデータを公開してしまうものである。

 今回の侵入行為については、批判的なメンバーが多かった一方、自分では違法行為をやらないが、それでも意味のある行為だったとするメンバーもいた。その後、アノニマスは、アンチセックを中心的活動のひとつにした。企業側もガードを固くしているようだが、アンチセックはそう簡単にはなくならないだろう。

――アノニマスとラルズセックの相違点と共通点は何か。

 アノニマスは大きなグループで、いろいろな派に分かれている。ウィキリークスやソニー関連の攻撃もあったが、その他にも環境問題や中東問題関連など、だいたい常時15件ほどの攻撃を同時進行させている。

 一方、ラルズセックはもっと少数で、政治活動よりも技術志向のグループだ。アノニマスから移ったメンバーもいる。共通点は、いたずら好きで荒っぽく、一線を越えるような行動を好むことだろう。ラルズセックが活動停止した後、アノニマスに移ってアンチセック的な活動をしているメンバーもいる。

――ウィキリークス関連のDDoS攻撃、また今回のソニー事件でも、それに関連してハッカーが逮捕されている。こうしたタイプのハッカー行為を、詐欺や不法侵入といった違法行為と同じに扱うことは妥当なのか。

 DDoS攻撃について言えば、2003年にドイツで合法的なプロテスト行為であると見なされたケースがある。だが、アメリカには、今のところ詐欺や侵入といった一般的な違法行為と区別するような法令はない。裁判所は、異論の多いこの問題で合法判断を下すことに尻込みするだろう。またハッカー側も悪ガキ的なところがあるため、合法化を欲っしているわけではない。

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