ソーシャルメディアの専門家が求められている

 また、佐藤氏はソーシャルメディアの「担当者」の重要性を主張している。

「たとえば、服をデザインするのはファンションデザイナーです。それと同じように、これからは、コミュニケーションデザイナーが必要になってくると思います。Facebookページの運営はプロを雇用すべきです。確かに、社内の適当な人材を当てておけばお金はかからないかもしれない。でもそれは素人に服のデザインをさせてお金がかからないからいい、と言っているようなものです。Facebookでコミュニケーションを担当するということは、単に文字をタイピングすることではない。場の空気を読んで適正な対応が必要です。それができるのは、ソーシャルを使いこなし知見を持っている人です。そういう人を雇用するべきだし、今後育てていくことが求めてられているのです」

ファンの数、なんと46万人。<br />ソーシャルの波に乗り快進撃を続ける<br />アパレルブランドの「次なる一手」

 今は日本が主軸のsgだが「アジアの複数の都市で店舗展開をするのもそう遠くないかもしれません」と佐藤氏。

 今後sgはファッションブランドとして日本での基盤を築くことに重きを置き、機能性のある日本の素材を使ったゴルフウェアに力を入れていく。ソーシャルという場を使って次々と新しい試みに挑戦しつつも、「日本の良さを世界に発信したい」という軸をぶらさない佐藤氏の今後の動向に、これからも目が離せない。

 この連載中に、GoogleがFacebookの対抗馬となるソーシャルサービス「Google+」を開始し、連載前と連載後では、Facebookの置かれている状況も変わってきた。ソーシャルの世界にいて思うのは、とにかくスピードが速いということ。次から次に新しいサービスが生まれ、栄枯盛衰のスピードも早い。この傾向はこれからますます強まっていくに違いない。

 ソーシャルメディアが多様化し、高度化していくのはユーザーとしては大歓迎だ。一方で、限られた時間の中、どのツールをどのように、どこまで使うかなど、使う側の力量が問われるようになる。エクセルやワードがビジネスパーソンの常識であるように、今後はFacebookやGoogleでのコミュニケーションスキルが、ビジネスを行う上での必須スキルとなっていくのかもしれない。


◆ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ◆

ファンの数、なんと46万人。<br />ソーシャルの波に乗り快進撃を続ける<br />アパレルブランドの「次なる一手」

『Facebookを集客に使う本』
好評発売中!
日本でもユーザーが300万人を突破し、フェイスブックページをビジネス目的で使う人・企業も増えてきた。ところが、なかなかファンが増えず苦戦している個人・企業は多い。「フェイスブックをはじめたけど、活用法がよくわからない」「集客をしようとしているのだけれど、ファンが一向に増えない」とお悩みの方のためにFacebookの実践研究家・熊坂仁美氏が具体的なノウハウを伝授します。

ご購入はこちら! [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス]