なりたての舞妓さんも年輩の芸妓さんも同じように、一軒一軒ご挨拶に回ります。暑い夏を乗り切り、年末までのこの年を安泰にという意味合いもあるのでしょうか、「相変わりませず」という言葉に今までとこれからもというお礼のような、心の通った姿勢が見て取れるのでした。

 自分が関わる身近な人達への礼節なのでしょう。日頃から顔を合わせていても、八朔の日は凛としてご挨拶をします。親しき仲にも礼儀ありとは正にこのことでしょうか。7月31日に祇園祭を終え、夏越しの祭りで締めくくられた翌日ですから、八朔の日を区切りにという気持なのでしょう。

 ビジネスの世界でも、暑中見舞いや夏のお届け物としてお中元など礼を尽くすことはありますが、面と向かってのご挨拶となるとなかなか大変ではないでしょうか。祇園町という本当に小さな町の中での古ですがはっきり、しっかり意味のある慣習として受け継がれているのです。

 8月1日の祇園町は、朝から「おおきに」、「おたのもうします」と元気な声が響き渡ります。我々にとっては非日常が彼女たちには日常であり、正装の意味はコトの大切さを教えてくれるのでした。