同市は「ひきこもり」という定義について、<義務教育修了後であって、おおむね6か月間以上、社会から孤立している状態>と、地域福祉の観点から支援対象の上限年齢を定めないことで、社会的排除を生まない仕組みに配慮しているのが特徴だ。そして、最後に<「ひきこもり」は、病気ではありません>と注意書きしている。

 西田委員長によると、民生委員・児童委員と福祉委員を対象に、「ひきこもり支援研修会」を2回開催。市内17地区で、民生委員や福祉委員と「ひきこもり支援を考える地区懇談会」を開き、氏名や年齢などの個人情報を記入しない形で、207人の事例が判明したという。

 207人の年代別では、30代が最も多くて51人。続いて40代が45人、50代が35人と、30~50代の多さが目立った。ちなみに、20代は23人、60代も22人に上った。

市街地と山間部は見えづらい
水面下の支援ニーズは膨大か?

 また、市街地周辺部の割合が高く、市街地と山間部が少ないといった地域によるばらつきも見られた。こうした影響について、西田委員長は「市街地では、民生委員も把握しにくく、山間部ではコミュニティのつながりが深いため、出現率に影響したのではないか」と分析している。

 一方、ワンタッチでは、社会福祉士と臨床心理士の2人の専任相談員が電話やメール、訪問で対応。これまでに、50人から相談を受けたという。

 しかし、207人の事例と重なっていたのは3人しかいなかった。この割合を単純に計算すれば、該当者は3450人と推測されることから、水面下には地域で把握されていない人たちの支援ニーズが、まだ数多く埋もれている可能性が高いことも明らかになった。