誰でもいつでもできる無財の七施
「分け隔てなく施す」という意味で使われる仏教用語「布施」には、大きく分けて次の3つがあります。
・財施(ざいせ)……お金や衣食などの物資を必要とする人に与えること
・法施(ほうせ)……相手の心に安らぎを与えること、精神面で尽くすこと
・無畏施(むいせ)……恐怖や不安などを取り除いて、安心させること
さらに、それができない場合の布施として「無財の七施(むざいのななせ)」というものがあります。
これは、「地位や財産がなくても、心がけ1つで誰でもいつでもできる7つの布施」のことです。
それは次のとおりです。
1.和顔施(わがんせ)……柔和な笑顔で人々に接すること
2.眼施(がんせ)……優しい眼差しを向けること
3.愛語施(あいごせ)……愛のある思いやりの言葉をかけること
4.身施(しんせ)……身体を使って奉仕すること
5.心施(しんせ)……思いやりの心を持って他人に接すること
6.床座施(しょうざせ)……座席や立場を他の人に譲ること
7.房舎施(ぼうしゃせ)……自宅に人を迎えてもてなすこと
先ほどの事例で、おばちゃんが話しかけたのは、眼施であり、愛語施であり、心施でもありましたが、K子さんにとって一番大きな布施は「和顔施」でした。
相手が笑っていると、こちらも自然と笑顔がこぼれるものです。
あなたも、ふだんから穏やかな笑顔を絶やさず、どんな人にも笑顔で接するように心がけましょう。
笑顔が、あなたの苦しみを救うとともに、周囲の人をも幸せにするのです。
●チェックポイント
ふだん自分がどんな表情をしているか知っていますか?
暗い表情のまま、人と接していませんか?