今後の日本のために経済政策で必要なのは、日本経済の潜在成長率を高める改革(規制改革と地方分権)、社会保障支出の膨張を抑える社会保障制度の抜本改革という、2つの改革を進めることです。そして、自民党と霞が関が改革に後ろ向きであることを考えると、官邸主導なくしてこれらの改革は絶対に進みません。

 しかし、憲法改正を優先する以上、官邸はこの秋以降は憲法改正にかかりっきりになるでしょうから、改革を牽引する余裕などないはずです。おそらく経済政策は、経済財政政策担当大臣に任せっきりになるのではないでしょうか。

 その経済財政政策担当大臣に茂木敏充氏が就くということから、今後の経済政策の方向性もだいたい見当がつきます。茂木氏は自民党政調会長のとき、教育国債の発行には反対でしたが、小泉進次郎氏などが提言したこども保険には前向きだったようなので、政権がこれからの経済政策の目玉としたい“人づくり改革”の中でこども保険が実現し、それを財源とした高等教育の無償化に向けた第一歩が実現されるのでしょう。

当面の経済政策はバラまき
憲法改正も容易ではない

 これは言葉を変えて言えば、当面の経済政策は改革を進めるのではなく、財政バラマキだけを行うということです。実際、茂木氏はもちろん立派かつ優秀な政治家ではありますが、改革派の政治家ではありません。他の経済関連の閣僚のメンツを見回しても、改革派と言われる政治家は見当たりません。

 それでは、この新たな内閣で政権支持率は回復して、安倍首相が悲願とする憲法改正は実現できるでしょうか。この点については、まだちょっと懐疑的にならざるを得ません。

 まず、今回の内閣改造は人心一新というより挙党態勢をつくる手堅い改造で、サプライズもなかったので、自民支持層の間では政権支持率はある程度回復するでしょうが、自民支持層以外も含めた全体の支持率がすぐに大きく回復するとは思えません。

 ただ、今回の内閣改造で、支持率低下の最大の要因であった加計学園関連の閣僚はすべて、そして日報問題などで問題の多かった防衛大臣も交代しました。後任の大臣は皆手堅い人なので、文科省や防衛省からの情報流出はなくなるでしょう。また、人が変わったことで、おそらく加計学園問題に関する野党やメディアの追求も緩くなるでしょう。これらは、時間が経てば支持率にはプラスです。