計算式の他に消しておく「リスク」とは
マイナスを改善するには、頭金額を増やして毎月のローン額を減らすか、購入価格を下げて住宅ローン額を減らし、毎月のローン額を減らすという、大きく2通りの方法がある。
しかし、ここで出た数字がマイナスになることそのものが、悪いというわけではない。大切なのは、不測の事態が生じた際に、自分のケースではこれくらいマイナスになる可能性がある、ということをあらかじめ把握し、納得しておくということなのだ。
とはいえ、上記のような計算も、あくまで瞬間的な数値に過ぎない。
街を歩いていると「ああ、お金がかかりそうだなあ」とか「いったいどうやってメンテナンスするのだろうか」という建物をしばしば見かける。住宅でもビルでも「メンテナンス性」を踏まえて設計されていない建物は、お金がかかってどうにもならない。
住宅を建てるときには「少しでも安く、いいものを」となりがちだが、イニシャルコストである建築費をケチることで、後でかえって割高になることが多い。実は、当初の建築などというものは、建物の一生にかかる費用から見れば全体の25~30パーセント程度に過ぎない。
電気などのエネルギー消費量も含む、設計から建設→維持管理→解体まで建物の一生にかかる総費用「ライフサイクルコスト(LCC)」を意識してマンションを選ぼう。割安か割高かは、自身の価値観と照らし合わせてトータルで判断するものだ。