物流センターの統廃合を任されたのは、FM物流企画部長の大野泰だ。他の流通大手からFMに転じて11年。一貫して物流部門を歩んできたとはいえ、これだけの巨大な統合は、日本のコンビニ業界でも例がない。「限られた時間の中で完遂しないといけない、というプレッシャーはあった」。

 物流センターには、各店舗からの発注データに応じて、自動的に店舗向けの商品を仕分けしてパッケージするシステムがある。しかしFMとCKSでは方式が異なっていた。そもそも、トラックに積んで店舗までの配送に使う「バット」と呼ばれるプラスチック製の箱の大きさが両社で異なっていたため、FMのものに統一。その結果、物流センター内でバットを洗浄する機械も、FM方式のものに改めることとなった。

 その流れで、CKSの仕分けシステム自体もFMの方式に改めたが、ここで問題が起きた。従来CKSの物流センターだった施設にFM式の仕分けシステムの設備を入れると、建物のスペースが足りなくなることが分かったのだ。物流を止めて、店舗に迷惑を掛けるわけにはいかない。そこで急きょ、空いている物流施設を探して、簡易なFM式仕分けシステムを入れてしのいだ。「取引先が空き物件の情報を教えてくれた」と大野。日常業務の中での付き合いが、一大プロジェクトの危機を救った。

試走で課題を発見
店舗への説明も徹底

 一方、物流センターから店舗までの配送はFM物流運行部長である中田順吉の仕事だ。

 中田がこだわったのは配送ルートだった。パソコンを使えば、統合後の物流センターと店舗の位置から、最適な配送ルートを割り出すことは簡単だ。だが中田は、各物流センターの運行管理者に、表示された全てのルートを実際に試走させた。コンビニは立地によって商品の搬入に要する時間が大きく異なる。また、ドライバーにとっても未知の配送ルートを走ることになる。そこで、試走によって道路環境を含めたさまざまな状況を記録し、配送ルートの策定に反映させたのだ。