個人がお金の運用で注意すべきこと

 個人がお金の運用にあたって意識しておいた方がいい原則を、7箇条にまとめてみた。

<個人の資金運用で大切な7箇条>
(その1)自分で分からない金融商品は購入しない。
(その2)支出の目的別に運用を考えない。
(その3)「大きく損をした場合」を想定し、備える。
(その4)実質的な手数料率に注意する(最大、年率1%未満!)。
(その5)インカム収入にこだわらない。
(その6)自分の買値にこだわらない。
(その7)商品を購入する相手に運用を相談しない。

 簡単に補足しよう。

 先ず、十分に他人に説明できるくらい自分で分かっているのでないかぎり、金融商品(保険商品も含む)を購入しないことが大事だ。大きく損をする事態は、投資信託など、ある程度以上分散投資された状態で株式に投資する資金で、年間の最大損を投資額の3割から4割くらいで見込んでおけばいいだろう。リスクとともに、投資家にとっては、確実なマイナス・リターン要因であるコスト(実質的な手数料や税金)にも注意しよう。今や、外国株式を含む全ての資産カテゴリーで、年率1%以上の手数料は「高過ぎる!」と言い切っていい。

 仕組み商品(仕組み債券など。預金もある)や生命保険のように実質的な手数料が分からない商品は、相手が儲かるようにできているに決まっているのだから、「全て見送り」と決めておいて問題ない。

 一般投資家の金融商品の売買に当たっての「間違い」を観察すると、投信の分配金など「インカム・ゲイン」を重視して、ここにだけ注意を惹きつけられて落とし穴に嵌まるケースが多い。インカム・ゲインとキャピタル・ゲインは両者を合わせて評価するのが大原則だ。特に、高齢者の運用は、インカム・ゲイン目当てがいい、という先入観は、「目的別」の意識の中でも、売り手側に利用されやすいので注意したい。

 最後の、商品を買う(かも知れない)相手に運用を相談しないことも重要だ。アドバイスは、利害関係のない相手に求めるのが常識だ。FPに相談する場合は、「売り手寄り」でないFPに、きちんと報酬を払ってアドバイスを求めよう。

 尚、FPの教材で教えている内容や相談手法の中には、「運用の目的を明確に意識しましょう」といった類いの、売り手の策略に引っ掛かりやすくなる手がかりが、かなり含まれている。FP講座の受講生の多くが金融機関の勤務者であることなどを考えるとやむを得ない面もあるのだが、「マネーのホーム・ドクター」が患者に新しい病気をうつすような現状は変えていく必要がある。