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フェイスブックとはひと味もふた味も違う!
クラウドの寵児セールスフォースが編み出した
企業向けSNS「チャター」の経営革新力

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第161回】 2011年9月8日
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 もうひとつのチャターの利用方法は、社内と顧客企業を結ぶコミュニケーション用だ。たとえば、ある製品開発で、社内の企画部と社外のエンジニアがグループとなってこれを使えば、メール以上に素早く、全員で情報を共有することができる。ファイルを共有したり、そのファイルのアップデートを自動的に知ったりできるので、プロジェクトに集中して、効率的に進行することが可能になる。

 セールスフォースでは、チャターを利用すれば、ミーティングが27%減り、メールが30%減少し、顧客からの対応率が36%上昇し、求める情報を入手するスピードが52%上がると、その利点を分析している。同社の顧客企業10万4000社のうち、すでに10万社がチャターを導入したという。

 セールスフォースは毎年、世界中の顧客企業や開発者が一堂に会する「ドリームフォース」というコンファレンスを開催しているが、今年9月初頭に行われた2011年度のドリーフォースのテーマは、まさしく「ソーシャル・エンタープライズ」だった。

 それが意味するのは、もはや企業もその内外でソーシャルネットワーク的なコミュニケーションなしには成り立たないというものだ。情報をグループ全員に公開し、メンバーがそれぞれに意見を述べたりコメントをつけたりする。そうしたことを断続的に行い、コラボレーション能力をつけ、みんなでプロジェクト達成の目標に向かうという図だ。

 同社は、チャターをインターフェイスにして、そこからCRMや営業データなどにアクセスできるようなスクリーン構成まで行っている。また人だけでなく、ドキュメントやデータなどのビジネスオブジェクトもフォローできる。わざわざそこへアクセスせずとも、チャターのしくみによって自動的に自分の元へ情報が入ってくる。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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