カウンターにいる美人は際立っている。静かに座っていても目立つのだ。幅の広いバーで横を見てもすぐわかる。
バーだけでなく、ホテルのフロントや空港のカウンターなど立っている時の姿が美しい。
姿勢がいいからである。頭ひとつ分上に出ている。リラックスできる場面でも凛としている。
その姿勢の良さはどこから来るのか。それは肘の位置である。カウンターで凛としている人は肘をつくことが少ない。もちろん、頬杖をついて考え事をするときなどはあるだろうが、その時間は短い。
肘をついていると「美人のもと」が肘から流出していくのかもしれない。流出防止の姿勢が自然と身についているのだろう。
肘をついて食べる。肘をついて飲む。肘をつきながら話す。肘をつきながらモノを書く。まるでカウンターに引きつけられるように、肘を離さない人も少なくない。肘を頻繁にどこかにつけている人は「美人のもと」が流出しているように見えることが多い。
肘をつくだけではなく、肘を多く曲げている時間が長い人は流出傾向にあるように思える。腕組みが長い人、歩くときにいちいち肘を大きく曲げる人、頻繁に自分の顔を触る人。
美人はまっすぐ立つことがうまい。その時、しっかり肘が伸びているのだ。まっすぐ伸ばしている時は「美人のもと」が増えていくように。
人は一日に何回も肘の曲げ伸ばしをしているが、その間「美人のもと」を増やしたり減らしたりを繰り返していて、伸びている時間が長いと増加していくのではないだろうか。
流出さんの肘を見てみよう。洋服の肘部分が変色していたり、擦れていたり、傷んでいる。肘そのものが黒ずんでいることもある。
時々、肘をチェックしてみよう。普段意識しない場所だからこそ。肘をきれいに保つことを心がけているだけで「美人のもと」は増えていくのかもしれない。