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ソーシャルメディア進化論

【第9回】
ネットの炎上は「空気」で止めろ!

オンラインのコミュニティで荒れを抑える方法

武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]
【第9回】 2011年9月20日
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多少の荒れを許してもよい場合、抑えるべき場合

 さて、コミュニティの「荒れ」は、いざというときのための対処と、常連がつくる空気による牽制をもって抑えられます。しかし、より詳細に企業コミュニティの現場を観察していると、少しは荒れたほうが活性を見せるというようなケースにも遭遇します。異分子が出現することで、場の結束力が高まることもありました。

 あまりガチガチに対処や空気で縛るよりも、多少の荒れを覚悟で自由度を許したほうが場は活性する。クリアにしすぎてもダメだと学びました。

 そうはいっても、薬事法や金取法にからむ商品やサービスを扱う企業にとっては、わずかな問題も見逃せません。そのようなケースでは、コミュニティの活性を犠牲にしてでも、荒れをゼロにする方策をとります。

 たとえば、すべての投稿を必ず一度チェックをしてから場に公開するというルールや、投稿できる参加者を絞り、ほかの大多数は閲覧のみに制限するというルールを設定します。

 また、それほど神経質になる必要のない商品やサービスでも、上層部の不安が強く、企業コミュニティの開設に二の足を踏むケースもあります。

 現実は、インターネット上のあらゆる場所で自社についての話題はされており、これを企業がコントロールすることができない以上、もはや、企業サイトに味方を育て外部のサイトを牽制することで、無防備からの脱却を図るという以外に方法はないのですが、正論を正論としてぶつけていても前には進みません。

 つい最近まで、NGワードとドレスコードを重視するマス・マーケティングが中心だったことを考えれば、その時代に常勝であった企業の上層部が不安の声を上げることは、ごく当然ともいえます。

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武田 隆
[クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

日本大学芸術学部在学中の1996年、前身となるエイベック研究所を創業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発し、複数の特許を取得。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。これまでに森永乳業、ライオン、資生堂ジャパンをはじめ、300社超のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア(矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリンと大阪に支局を開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、ロングセラーに。また、CSR活動の一環としてJFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」のパーソナリティも務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


ソーシャルメディア進化論

花王、ベネッセ、カゴメ、レナウン、ユーキャンはじめ約300社の支援実績を誇るソーシャルメディア・マーケティングの第一人者、エイベック研究所の代表取締役 武田隆氏が、ダイナミックに進化し続けるソーシャルメディアの現在と未来に独自の視点から迫る!

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