それだけではない。住宅ローンを借りていれば、住宅ローン控除が受けられる。これは元本4000万円の金利の支払いが0.6%の年間24万円であろうと、40万円の還付金が受けられる。つまり、16万円のキャッシュがもらえて、実質的にはマイナス金利になっているのが現状である。これを繰り上げ返済する意味はすでになくなっている。返済するなら、住宅ローン控除がなくなる10年を経過してからのほうがいい。

 加えて、ここまで低金利だと、借り換えを考える必要がない。もしやるとするならば、金利上昇局面において、変動金利から固定金利に借り換える場合のみであろう。超低金利時代はローン天国の様相を示している。

 金利によって変わることは2つある。1つは毎月の返済額が下がること、もう1つは元本の減り方が大きくなることだ。このペースは、金利2%の場合10年で元本は22%減少するが、金利が0.5%なら27%減っていることになる。この5%の差が大きい。

 マンションの物件価格の下がり方が年平均2%程度なので、このペース以上に元本が下がると含み益が膨らんでいることになる。逆に、元本の減り方以上に物件価格が下がると、含み損が生まれている。その際は、物件を売却してもローン元本残を返済できなくなる。つまり、不足額は手元資金から金融機関に返済しなければならない。それができないならば、金融機関が売却を許してくれず、住み続け、返済を続けなければならなくなる。

「住む」「貸す」「売却する」
自宅の3つの選択肢を意識しよう

 筆者は、自宅は常に3つの選択肢を持つようにすべきだとずっと唱えてきた。3つの選択肢とは、「自分で住む」「人に貸す」「売却する」ということだ。人に貸した家賃でローンを返済することと、含み益を出しながらいつでも売却できることは、常に選択肢として持っているべきであることを確認しよう。

 中古になった自宅マンションの価格査定は、「住まいサーフィン」上で物件と号室を指定すれば無料で知ることができる。賃料についても査定の仕方を前述した。これらはすぐに調べることができるので、参考にしてほしい。情報と選択肢を持っていれば、不測の事態にも対処することができるようになる。

(スタイルアクト代表取締役 沖 有人)