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メディアがフェイスブックにひれ伏す日
進化するオープングラフの恐るべき可能性

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第164回】 2011年9月30日
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 フェイスブックの中だけで動くアプリでメディアが消費されるということは、自社サイトにお客がやってこないということでもある。自社サイトでどんなにアピールしても、彼らの目には入らない。また、自社サイトでのユーザー行動の計測もできず、まったく異なった仕組みが必要になる。

 それ以前に重要なのは、フェイスブックの友達の輪の中で話題にならなければ、存在しないも同然という時代がやってくることである。メディアは、どうやって友達に取り入って、その友達の友達に見てもらうのかを考えなければならなくなった。従来のマーケティング方法を、根本から考え直すことが必要になるだろう。

 フェイスブック上でこうしたメディアコンテンツが消費された場合の収入がどう分配されるのかは、まだ明らかにされていない。ただ、はっきりしているのは、フェイスブックがメディアへの入り口に立ち、門番のようにドアを開け閉めできるようになるということだ。

 もちろん、この動きは、ユーザーの行動データを収集するフェイスブックにとっては、さらに売りが増えたことを意味する。広告業界には、願ってもみない材料である。友達という狭い輪の中で共有されるものが明らかにされることによって、よりターゲット化された広告を打つことが可能になる。しかも、好みだけでなく、リアルタイムの行動までわかるようになるので、広告もリアルタイムで対応するといった新技術も開発されることだろう。そのとき、どれほどの数のメディアが、フェイスブックと対等の関係でいられるのだろうか。 

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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