
一夜の睡眠不足でも翌日の生産性は確実に低下し、何も対策しなれば健康リスクは上昇。睡眠負債とも呼ばれる現代人の睡眠不足は、人生の質と寿命を蝕む悪習慣だ。そもそも、適切な睡眠時間は何時間なのか?企業の健康経営支援に携わる医師・石田陽子氏が解説する。※本稿は、石田陽子『Dr.Yokoの睡眠マネジメント 眠るほど、ぐんぐん仕事がうまくいく』(文芸社)の一部を抜粋・編集したものです。
睡眠の乱れを放置すると
健康面に現れる悪影響
たった1日でもしっかり健康な睡眠を取らなければ、翌日の生産性が下がります。
一夜の不健康な睡眠で即死することはありませんが、不健康な睡眠を継続していると必ず、生涯の終点からじわじわ寿命が削られ、健康リスクが増え、人生の質も量も減ってしまい、細く短くなってしまうのです。
睡眠の質は知覚できませんが、その結果である人生の質は、知覚できます。自分の意志で睡眠マネジメントをして、睡眠習慣を変えることで、太くて長くてウェルビーイングな人生を獲得できます。睡眠習慣はあらゆる生活習慣の中で、最も人生の質と量に影響します。
睡眠中は意識がなく、睡眠の質を主観的に知覚することはできませんが、覚醒時に能動的に効果的な睡眠マネジメントを行うことによって、覚醒の質、ひいては人生の質が向上します。
また、睡眠マネジメントは、人によって毒にもなり有資格者にしかできないようなオーダーメイドの医療とは異なり、誰でもお金をかけずに簡単にできるユニバーサルな行動管理です。