そして、いったん発動した感情は、あくまでも原始時代の「命がけモード」であなたを守ろうとします。感情が過剰に発動することで、私たちは苦しくなってしまうのです。

人間関係の苦痛は「◯◯のケア」で減らせる!元自衛隊メンタル教官が解説感情は3段階のプロセスで落ち着く
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■感情には3段階がある

「感情」の強さには3段階があります。

 (1)「危機対処」段階(3倍反応モード)
 (2)「警戒」段階(2倍反応モード)
 (3)「予防」段階(通常反応モード)

 仕事のやり方をめぐって、同僚とケンカしたとしましょう。

 口論で熱くなっている時が(1)「危機対処」段階(3倍反応モード)。相手のひとことに、通常の3倍で反応してしまいます。一日経って、ある程度気持ちがおさまったときが(2)「警戒」段階(2倍反応モード)。でも、まだ警戒心は解けません。しばらく何も起こらず、危機が過ぎ去ったと感じる過程で警戒レベルが少しずつ下がり、最後は(3)「予防」段階(通常反応モード)へ。このような3段階を経て、感情は収まっていきます。

 感情が収まってしまえば、そのことは「あまり気にならなくなる」。でも、私たちは、つい我慢したり、無理に忘れようとしたりするので、この自然なプロセスが阻害されて、(2)の「警戒」段階で感情が停滞してしまうことが多いのです。忘れているつもりでも、無意識に相手に対する警戒が続いているような状況です。

■感情発生! そのときに使えるツールをリスト化しよう

 感情の停滞を打破するためには、どうしたら良いでしょうか。私がこれまで行ってきた自衛隊員のメンタルトレーニングの中から、「これは効果がある」と実証できたものを、「感情ケアプログラム」として、昨年一般向けに発表しました。

 このプログラムには、感情を「下げる」「触れる」「考える」の3つのカテゴリーがあります。今回はその中から、「下げる」方法をご紹介しましょう。