過去のブームと違うのは
中国市場の動向だ

 今回のEVブームは、過去とはどう違うのだろうか?

 まず、石油価格は安定している。高騰しているわけではない。電池は、いろいろと次世代製品のコンセプトや期待が飛び交うけれど、実際に画期的な製品が実用化されているわけではない。欧州のあちこちの政府が、「将来はエンジン車の販売を禁止する」と言っているが、それは数十年先の話である。現在のブームの直接の理由にはならない。禁止までに、じっくりとEVを開発してゆけばいい。慌てる必要はないのだ。つまるところ、今回のEVブームは、前提条件として燃え上がるための"燃料"が少ないのだ。

 では、過去のブームと比べた場合、何が大きく違うかというと、それは中国の状況だ。

 現在、中国の自動車市場は世界最大規模である。2016年には約2800万台ものクルマが売れた。日本の約500万台どころか、アメリカの1755万台も軽々と上回る。その中国市場で、日本とドイツの自動車メーカーはシェアを争っており、それぞれが年間400万台程度のクルマを売っている。つまり、日本もドイツも中国市場は、外せない大きな収入の柱の一つになっているのだ。

 その中国がEVに積極的なのだ。なぜ中国がEVに積極的なのかといえば、「エネルギー政策で、石油をクルマに使わせたくない」や「新しいEVというジャンルなら中国の自動車産業にも日欧米と戦うチャンスがある」などが理由とされている。

 そのため、「メーカーごとに一定数のEVを販売せよ」というお達しがあり、EVへの補助金も用意。都市部では、自動車用のナンバーを取得するのが難しい(=高額)ところにEVなら無料という優遇策も用意する。国を挙げて、「EV推し」という状況なのだ。