農家直送で流通マージンなし!
農家の孫が考え出した新ビジネス

 無農薬の農作物といえば、スーパーや専門店では値段が高めに設定されている。ウェブで購入しようと思うと、送料もかかり高価となる。しかし、食べチョクでは農家直送なので中間業者のマージンがなく、既存のサイトよりもさらに割安で買うことができる。

 購入したお客さんからは、「葉付きのにんじんが届き、とてもおいしかった」「スーパーでは見かけない珍しい野菜もあって料理が楽しくなった」という声があがっている。手書きの礼状や料理のレシピを同封してくれる農家もあり、温もりを感じるという声も多い。

 この販売サイトを立ち上げたのは、秋元里奈さん(株式会社ビビッドガーデン代表取締役社長)という若き女性起業家である。秋元さんの実家は神奈川県で代々農家を営んでいた。

「祖父の代まで農業をやっていたんですが、私が中学生のときに廃業してしまいました。祖父は無農薬で農作物を作っていましたが、市場へ持っていくと、他のものと一緒にして売られてしまっていたんです。手間や時間をかける割には収益が少なく、農業だけで生活していくのは難しいことを知りました」

 その後、実家の農地は担い手がいないまま、耕作放棄地になっていた。社会人になり大手IT企業に勤務をするようになって3年目、大量の農地があるのに活用ができてない現実に改めて気づく。その背景には、農業従事者の高齢化、新規就農者の減少、販路の限定化など日本の農家が抱える問題があった。

「無農薬野菜や伝統野菜は付加価値が高い農産物ですが、通常のルートでは普通の農作物と一緒に扱われてしまい、相応の価値が認められにくい。これを改善したかったんです。ちゃんと価値を認めてくれるお客さんに届けたい。様々な悩みを抱える生産者の力になりたい。そう考えて食べチョクを立ち上げました」

 収益化や販売ルート作りの難しさも手伝って、日本のオーガニック農家の数は、全体の0.5%しかないのが現実だ。しかし、精魂込めて安全な野菜や果物を栽培している農家ばかりである。