資本政策表には
雛形がある

 資本政策表はゼロから作り上げる必要はない。ブレークスルーパートナーズの赤羽雄二氏が作成した「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」には、事業計画にあたっての注意点や手順が詳細にまとめられており、かつインターネット上で閲覧可能だ。これに資本政策表の雛形がある。ブルーマーリンパートナーズなど事業創造のプロフェッショナルに聞いてもよい。

 ベンチャー企業への投資には、金額規模や事業の発展度合に応じて名称がついている。おおよその概要は図5の通りである。ただし、詳細は毎年変わり続けているため、詳細は専門書に譲る。

株を創業メンバー3人で分けるのが最悪な理由図5 ベンチャー投資の名称
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 ファイナンスや資本政策表については良書がいくつか出版されている。併せて参考にしてほしい。

デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』(山口揚平、日本実業出版社、2008)
起業のファイナンス 増補改訂版』(磯崎哲也、日本実業出版社、2015)
現役経営者が教える ベンチャーファイナンス実践講義』(水永政志、ダイヤモンド社、2013)
ベンチャー企業を上場成功に導く 資本政策立案マニュアル 第2版』(石割由紀人、中央経済社、2014)
 

株を創業メンバー3人で分けるのが最悪な理由

山口揚平(やまぐち・ようへい)
早稲田大学政治経済学部(小野梓奨学生)・東京大学大学院修士。1999年より大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わったあと、独立・起業。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供する。2010年に同事業を売却したが、のちに再興。クリスピー・クリーム・ドーナツの日本参入、ECプラットフォームの立ち上げ(のちにDeNA社が買収)、宇宙開発事業、電気自動車(EV)事業の創業、投資および資金調達にかかわる。その他、Gift(ギフト:贈与)経済システムの創業・運営、劇団経営、世界遺産都市ホイアンでの8店舗創業(雑貨・レストラン)、海外ビジネス研修プログラム事業、日本漢方茶事業、医療メディア事業、アーティスト支援等、複数の事業、会社を運営するかたわら、執筆、講演活動を行っている。専門は貨幣論、情報化社会論。 NHK「ニッポンのジレンマ」論客として出演。テレビ東京「オープニングベル」、TBS「6時のニュース」、日経CNBC放送、財政再建に関する特命委員会 2020年以降の経済財政構想小委員会に出演。慶應義塾高校非常勤講師、横浜市立大学、福井県立大学などで講師をつとめた。 著書に、『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』(日本実業出版社) 『世界を変える会社の創り方』(ブルー・マーリン・パートナーズ)『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』(アスキー・メディアワークス)『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』(ダイヤモンド社)『10年後世界が壊れても君が生き残るために今身につけるべきこと』(SBクリエイティブ)などがある。