事業を興すうえで、避けては通れないのがファイナンス。事業創造のプロである山口揚平氏によると、いちばんやってはいけないのが「創業者のあいだで株式を均等に配分すること」だそうです。前回に続き、準備期のファイナンスで重要なエッセンスを凝縮してお伝えします。

図1 事業創造フレームワーク 第6回、第7回では、「準備期のファイナンス」について解説します。
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 前回述べたように、ファイナンス(資金調達)を行うときは、(1)企業の支配権、(2)企業の評価額(バリュエーション)、(3)資金調達額の3つに注意してほしい。今回は、この3点をふまえて、いよいよ創業期におけるファイナンスの定石を述べる。

ファイナンスの定石1
資本金は大きくすべし

 資本金が最小限の額でも会社設立や運営は可能だが、できるだけ大きければ大きいほうがよい。

 理由はいくつかある。第一に、資本金が大きいほうが、企業に対する取引先や顧客の評価が高い。事業を初めたばかりの時期は、周囲のからの信用を獲得するために大企業の何倍もの手間がかかるのが現実だ。

 第二に、資本金は企業の延命力でもある。したがって、最初に積んでおくお金は大きいほうがよい。

 第三に、この点が最もファイナンスと関わるが、資本金の大きさは資金調達額に大きく関わっているからである。企業の評価額はファイナンスを重ねるごとに増えていくことになるが、最初の資本金が小さいと大きな評価額がつけられにくい。