コロンビア大学ビジネススクールでエリートたちが学んでいる
第7感は4つのステップで構成されている。「ひらめき」は、その3番目のステップだ。最初の2つのステップはひらめきが起こる条件をつくるためのもので、4番目のステップはひらめきを活用するためのものだ。
ひらめきは自然発生的に起こるが、他の3つのステップはコントロールできる。つまり、私たちは訓練によって第7感を向上させ、それを最大限に活用する方法を学べるのだ。それが、この本のテーマだ。
第6章で述べるように、私は10年ほど前に第7感という概念に出合った。それ以来、第7感とそれを最大限に活用する方法について、コロンビア大学ビジネススクールで私のクラスを受講する学生や、世界各地での企業向けワークショップに集まった大勢の人々に講義をしてきた。この第7感をテーマにして、企業やビジネスパーソンが新しいアイデアを思いつくための方法を説明する本も書いた。
本書では、第7感を仕事やプライベートなどの人生の目標を達成したり、生活の質を高めたりするために活用する方法を説明する。
これは、私の講義の受講者からのリクエストでもある。彼らは、卒業後も授業で学んだことを毎日の生活に生かしたり、家族や友人に伝えたりするために、第7感についての本を書くことを私に求めてきた。本書では、そうした学生たちが第7感をどう学び、人生に生かしているかについても触れていく。
第7感についての講義を始めてすぐに気づいたのは、私たち個人の生活には仕事が大きな割合を占めているということだ。
私たちは、家族や友人、一人で過ごすよりも多くの時間を仕事に費やすことが珍しくない。また、仕事について私たちが考えることは、プライベートな側面とも深く関係している。たとえば私たちは、「仕事を通じて自分の興味や情熱を満たすには?」「転職すべきだろうか?」「職場の困った人たちに対処するには?」「仕事とプライベートのバランスをどうとればいい?」といったことについて考える。
そのとき、仕事とプライベートは強く結びついている。つまり、仕事に関する新しいアイデアを生みだし、その実現のためにコミットするかどうかの判断は、プライベートを含めた重要な人生戦略だといえるのだ。