共同創業者と
適切な距離をとるには
コアメンバーが2名の場合は、異なる能力・考えかたを持つメンバーがお互いを補完できると非常によい。アップルを創業したスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックの例が有名だろう。外部とコミュニケーションをするジョブズと、ものづくりをするウォズニアックという分担がうまく働いたと言える。1人の時のデメリットとして挙げたような停滞が発生する確率を減らすこともできる。
異なる能力・考えかたを持つメンバーが意見をぶつけ合い、アイデアを磨き上げることができる。一方、もしも議論が平行線になってしまうと、組織の動きが停滞してしまう。解決策は2つある。(1)適切な距離感を取り合うこと、そして(2)ゴールでつながることである。
(1)「適切な距離感を取り合う」とは、相手にあった関係性を常に取るということである。そのためには、他人との関係性を細かくカテゴライズするとよい。「他人との関係性をカテゴライズする」とは、人を「他人」「知り合い」「友人」というように分類することである。
通常は3つ程度に分類する人が多いだろうが、あなたが創業期のベンチャー企業でコアメンバーとして働いているなら、もっと細かいほうがよい。なぜなら、複雑な利害関係をともなうさまざまな人と多用な距離感を形成する必要があるからだ。1人ひとりと距離感を丁寧に形成すると非常に強いストレスにさらされる。そのため、あらかじめ細かく関係性をカテゴライズしておき、人によって使い分けるのだ。
たとえば、私は他人との距離感を以下のように区分けしている(図3)。
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図3の縦軸は、仕事関係かプライベートかを表している。その上で、距離感に応じて5段階で関係性を区分けしている。相手が家族や顧客といった関係性が明確な場合は特にストレスを感じることはないだろう。
しかし、問題は「ビジネスのつながりもある友人」といった、微妙な距離感の人との付き合いかただ。こういった人との関係性をうまくマネジメントするためには、他人との関係性を細かくカテゴライズして関係性を明確にすればよい。ストレスが最小化され、ビジネスでもプライベートでもよい関係性を築き、継続させることができる。