それを見抜いたOGは、
  「あなたはどう思うの?」「自分で考えて質問している?」
  と、質問攻めにして、最終的に「甘えている」と叱ったそうです。

 Sさんは、OG訪問を「最初の情報収集の場」と考えていたのでしょう。

 これがきっかけで、Sさんは事前に相手のことや、仕事内容についてしっかりと調べてから訪問するようになりました。OB・OGから叱られることがなくなったのはもちろんのこと、面接でも堂々と受け答えができるようになり、志望企業から内定をもらえました。

 「最初のOG訪問で叱られたおかげ」と当時のことを振り返って語っていました。

就活力を上げる言葉がけ③
「明日(今日)はどんな人に会うの? どんな会社なの?」

 Sさんは、早い段階で気づきを与えてもらったので非常にラッキーでしたが、すべての学生がこのような機会に巡り合えるわけではありません。ある就職活動に関するアンケートによれば、OB・OG訪問をする学生は3割程度と少なく、年々、就職口コミサイトからの2次情報に頼る学生が増えているそうです。

 そんな時代だからこそ、SさんにとってのOG的な存在が必要で、それを買って出るべきなのが、ご両親なのです!

 ぜひ一度、
 「明日(今日)はどんな人に会うの? どんな会社なの?」
  と聞いてみてください。

 以前に私が東京でセミナーを開催したときのこと。わざわざ関西から参加された方から、後日メールをいただいたことがあります。

 「昨日は正直自分で反省するところが多かったです。感じておられるとは思いますが、せめて著書を読んでから行くなど、講師の方のことをもっと知ってから行くべきでした。その方が自分にとっても得るものが大きいですし、もっと深い部分でお話をさせていただくことができると思いました」

 たしかにその学生は、セミナー中に自分で調べればわかるようなことばかり聞いていました。彼はセミナーに参加し、私が口を酸っぱくして「就職活動では準備が大切」と伝えていたので、きっと反省し、メールを送らないと気が済まなかったのかもしれません。

就活力を上げる言葉がけ④
「OB・OGの方に何を聞きたいの?」

 さらに少しでも有益な情報を得られるようにするために、
  「OB・OGの方に何を聞きたいの?」
  とお子さんに問いかけるのもよいでしょう。

 人に会って話を聞くことの醍醐味は「その人からしか聞けないことを引き出すこと」です。そのためには、ただ相手を調べるだけで満足せずに、相手からどのような情報を得たいのかまで考える必要があります。
できれば、事前にノートなどに質問をまとめておくのがおすすめです。

 相手に聞くことがあらかじめ決まっていると、心のゆとりが生まれ、相手の話をしっかり聞くことができます。事前に相手を調べておき、相手が話したい話、興味のある話をすれば会話がはずみます。