秋元康も感じた
『君の名は。』に込められた
九紫人としての願い

 実はもうひとつ。『映像美』の他にも、新海氏は「火の九紫」としての気質を『君の名は。』の物語に反映させているのですが……あなたはお気づきでしょうか??

 それは、人々に“希望”を与えたということです。

 スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫は、「この“希望”という言葉が『君の名は。』鑑賞中に何度も頭をよぎった」と語り、放送作家の秋元康も「あの世界は希望に満ちていた」と強調しています。

 きっと、他にも同じような印象を受けた方も多いかもしれません。

「火の九紫」の人間にとって、人々に“希望”を与えるということは、ひとつの使命でもあります。

「火の九紫」を象徴するものは「太陽」です。
 太陽は人々に光を届け、同時に人を温めます。
 その役割が、「火の九紫」の人間にはあるのです。

『人を勇気づけ、人を温める。そして、周囲に希望を届ける』

 この使命を果たしたとき「火の九紫」の人は、社会的に大きく大成することになります。

 新海氏が『君の名は。』で伝えたかったこと。
 それは、「人生には出逢うべき人がいる。運命の人はいるんだ」というメッセージでした。

 自分に自信を失い、出逢いに億劫になりつつある現代の若者たち。その若者たちに対して、まさに“希望”を与えましたよね。

 ファンの方ならご存じでしょうが、歴代の新海氏の作品では、ここまで希望に満ち溢れた作品はありませんでした。

 けれども『君の名は。』では、新海氏の作品ではめずらしく、エンディングにきちんとした“希望”にあふれたハッピーエンドが用意されていました。

 まさに「火の九紫」としての気質が全開となった瞬間です。

 そういった「火の九紫」としてのパワーが作品に乗り移ったからこそ、『君の名は。』は多くの人を魅了する大ヒット作品になったとも言えましょう。