25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2026』の出版を記念して、内容の一部を抜粋、再編集してお届けする。(本記事は2025年1月に執筆された『大学図鑑!2026』および2016年1月に執筆された『大学図鑑!2017』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

早慶上理ICUで20年前と比べて評価が上がっている学部・下がっている学部

 早慶上智ICUは20年前でも私立ではダントツの人気大学であったことに変わりはない。

 現在の『大学図鑑!』ではここに東京理科大を加えているが、20年前は理系大学だけのグループで扱っていた。そのため、20年前のマップ上(次ページ)には名前がないが、当時から東京理科大も私大のトップだったのは言うまでもない。

 大学の序列や学部の序列は数年で変わるものでは当然はない。しかし、20年も経てば変化は起こるもの。早慶に対する社会的評価は変わらないが、学部間の序列には大きな変化が起きていることがわかる。

 代表的なものを挙げると、早稲田の所沢2学部だ。

 20年前の序列マップでは第二文学部と並んで、所沢2学部をほぼMARCHと同レベル程度の位置付けていた。実際、20年前の所沢2学部は難関・早稲田ではあるものの、都心のキャンパスにある学部と比べると今ほどの存在感はなかった。

 しかし今はどうだろうか。『大学図鑑!2026』では、人間科学部は教育学部より上に位置し、スポーツ科学部も明確にMARCHより高い場所に位置している。この2学部は時間をかけてじわじわと地位を上げており、まさしく理想の成長学部と言える。

 また、社会科学部も20年前は早稲田のなかで下の扱いだったが、今ではすっかり人気かつ難関。このあたりの変化も非常におもしろい。

 対して、早稲田で序列を下げているのが教育学部。学部のレベルが下がっているわけではないものの、入試難易度的に「どうしても早稲田に入りたい人が全員受けるところ」「早慶のなかでは比較的滑り止めになりやすい」といった傾向が強まっており、早慶上智ICUグループ内では序列を下げている。

 しかし、私立の教育学部として最難関であることに変わりはないのはさすが早稲田といったところ。

 なお、今の受験生は知らないと思うが、かつて早稲田には「第一文学部」と「第二文学部」があった。第二文学部は主に夜間に講義があった学部だが、第一文学部とあわせて再編されて、今では「文学部」と「文化構想学部」に。

 年配の方だと「文化構想学部=第二文学部」のようなイメージを持っている方もいるが、当然そんなことはない。まったくの別物であり、文化構想学部はメディア系の勉強をしたい学生には超人気。