キーワードは、「社内」「会議」「残業」「意識改革」
私は、営業が社内にばかりいるチームを「そよかぜ型」チームと名づけています。
「そよかぜ型」チームのキーワードは、「社内」「会議」「残業」「意識改革」。「そよかぜ型」チームの営業は、とにかく社内にいます。優先順位が、「お客様」よりも「社内」のほうが高いのです。
信じられないかもしれませんが、こういう営業組織は実際に多いのです。
「そよかぜ型」チームは朝出勤すると、なんとなくパソコンを開けます。
一人一台のパソコンが割り当てられるようになったため、何の疑いもなくメールチェックをします。受信トレイに入ったメールを上から順番に閲覧し、返信し、必要あれば内線をかけて確認作業を繰り返します。
何時から外出するかは決めていません。「準備が整い次第」という曖昧な基準で午前中をすごします。
お客様を訪問しなければならないゴールデンタイムに会議も入ってきます。役割分担をしろと言われているにもかかわらず、「自分がやったほうが速いから」という理由で、見積り作業や伝票処理までやっていたりします。
言ってみれば、「そよかぜ型」チームは、街中を走っている車のようなものです。
信号のたびに止まらなくてはならず、スピードを上げることができません。燃費が悪く、ドライバーはいつもイライラしています。
お客様のところへ行く時間、アプローチ回数の少ない「そよかぜ型」チームは、前回のコラムで紹介した「予材」が十分に積み上がりません。
「2倍なんてありえない」と、自らのポテンシャルに制限をかけます。
予算計画を常に疑い、「たら・れば」の表現が口グセです。
「景況感が戻ったら、仕事がくるに違いない」
「誰かが売れる商品をつくってくれれば、俺たちだって数字をつくれるよ」
このような発言ばかりで、チーム内は傷のなめ合いに明け暮れています。
「そよかぜ型」チームのメンバーは「学習性無力感」に満ちています。
何を言われても「総論賛成・各論反対」。
マネジャーが心がけを言えば、「わかりました」といい返事をしますが、4W2H(いつ、誰が、何を、どこへ、どのぐらい、どのように)の表現でコミットさせようとすると、「そんなことをしてもうまくいくとは限りませんよ」と、あたかも評論家のような口ぶりで反論します。
行動力のない営業が評論家になったら終わりです。