・中長期的な観点からは、政府金融機関等に係る貸出残高の縮減を図ることが必要である。

・そのため、政府金融機関等による公的資金供給の対象となる政策分野の厳格な精査を行い、民業補完趣旨の徹底を図るとともに、個々の貸出制度の撤退時期やその基準をあらかじめ示すなど、規模の肥大化を未然に防止することが必要である。

・政府金融機関等の資金供給手法の在り方については、金融資本市場との調和を図るため、市場機能や民間金融機関を活用したより間接的な手法を十分考慮し、個々の政策目的や~(中略)~当該貸出が有する性質に応じ、最適な資金供給手法の選択を行っていくことが必要である。

・間接的な手法に移行する場合には、効率性確保の観点から、諸外国の例も参考に、部分保証方式とするなど、モラルハザードや逆選択を防ぐ制度的な工夫を講じるべきである。

・直接貸出の手法を継続する場合であっても、民業圧迫を回避するため、リスクに見合った金利体系への一層の改善や協調融資の枠組みの拡充など、金融資本市場との調和に関して更に厳格な措置を講じることが必要である。

 こうした指摘も踏まえ、「では、商工中金は今後どうあるべきか」と考えれば、危機対応業務は一義的には日本公庫の業務であるという原則に立って、危機対応業務を行う指摘金融機関と見なすことを止めるべきだ。

 一方で、その公共性を強化し、民営化するのではなく、日本公庫が株式の民間の持ち分を買い取って、日本公庫の下部組織として日本公庫のガバナンスの下に置き、既存の顧客向けの業務や民間銀行との協調融資や間接金融のみを行うといった方向性も考えられるのではないか。

 その先には商工中金の日本公庫への吸収といったことも想定されよう。

 商工中金不祥事は、単に商工中金の在り方に止まらない。政策金融そのものの在り方を再検討し、わが国社会経済にとってより望ましい方向に改めていく契機とすべきだ。そうした観点からの、拙速ではない、時間をかけた丁寧な議論や検討が求められているのではなかろうか。